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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成13年度(2001年度)
- 伊方2号機 余熱除去系配管の欠陥指示
- 通報連絡日時:2001年9月27日15時30分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
10月29日13時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方2号機余熱除去系配管の欠陥指示に係るその後の調査結果等について、第2報がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方2号機で実施中の定期検査において、伊方1号機での塩化ビニルテープによる配管の塩化物応力腐食割れを踏まえた対策調査を実施しており、9月27日に余熱除去系配管の欠陥を確認し通報連絡したところであるが、その後、対象配管全数の調査を実施した結果、次のとおり、通報済みの2箇所を含め、計7箇所に、液体浸透探傷検査等により欠陥を確認した。
系統 | 場所 | 初期厚さ (mm) |
傷深さ(mm) | 研削後の配 管厚さ(最 小値)(mm) |
実際使用 厚さ(最小厚さ)(mm) |
計算必要厚さ(mm) | 対策 | 備考 | |
余熱除去系統 | [1]ループB高温側 出口配管 | 格納容器 | 23.1 | 1.5 | 21.6 | 20.7 | 17.69 | 継続使用 | 9/27報告分 |
[2]ループB高温側出口配管 | 格納容器 | 10.6 | 1.7 | 8.9 | 6.3 | 4.26 | 継続使用 | 9/27報告分 | |
[3]余熱除去ポンプ2A入口配管 | 原子炉補助建屋 | 8.0 | 2.4 | 5.6 | 6.3 | 4.26 | 配管取替 | ||
[4]余熱除去冷却器2A入口配管 | 原子炉補助建屋 | 7.8 | 1.6 | 6.2 | 6.3 | 4.26 | 配管取替 | ||
[5]低圧抽出ライン | アニュラス | 3.9 | 3.9 (貫通) |
- | 3.5 | 1.19 | 配管取替 | ||
[6]余熱除去冷却器2Bバイパス配管 | 原子炉補助建屋 | 5.8 | 1.5 | 5.1 | 5.3 | 3.26 | 配管取替 | ||
[7]ループA低温側戻り配管 | 格納容器 | 6.6 | 1.4 | 5.5 | 6.3 | 4.26 | 配管取替 |
- いずれの箇所もテープ付着跡があること及び金属組織観察により粒内割れが確認されたことから、塩化ビニルテープによる塩化物応力腐食割れと推定される。
本件については、[1][5]は、「原子炉の運転に関連する主要な機器」に該当しないこと、また、[1][5]以外は同主要な機器に該当するが、必要肉厚が確保されているため機能低下に該当しないことから、法律又は通達に基づく国への報告事象には該当しないことを確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方1号機充填配管からの漏えいの水平展開として、定期検査で確認された7箇所の欠陥指示については、
- 塩化ビニルテープの付着跡が確認されたこと
- 表面ミクロ観察により塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れが確認されたこと
- 塩化物応力腐食割れの可能性のある温度区分に該当すること
から、1号機充填配管の漏えいと同様、配管に貼り付けられた塩化ビニルテープによる塩化物応力腐食割れと推定される。
対策
- 手入れ後の配管厚さが、実際使用厚さ未満の5箇所は配管を取替え、実際使用厚さ以上の2箇所は手入れした後継続使用する。
- 1号機の充填配管漏えいを踏まえた対策を、次のとおり再度徹底する。
- 今回の2号機の事例を示したワンポイントレッスンを追加作成し、関係者全員に、テープによる塩化物応力腐食割れの可能性を再教育する。
- ステンレス表面にテープ等付着物を発見した場合には、確実に連絡するよう再徹底する。また、確実に取り外す。
- 塩化物応力腐食割れに関する研究を引き続き実施する。
- 海塩粒子、副資材等に対する対策についても確実に実施する。