平成15年度(2003年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機 炉内出力分布測定における制限値の一部超過

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通報連絡日時:2003年8月6日18時35分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし

異常の内容

8月6日18時35分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 8月6日18時25分、通常運転中の伊方3号機で、定期測定で実施した炉内の出力分布測定において、炉心上部の出力が制限値を超えていることが確認された。
    このため、原子炉出力を約2%降下させることとする。
  2. 詳細は、追って連絡する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

異常の原因等

8月7日(木曜日)15時00分、四国電力株式会社から原因等について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、保安規定に基づき、原子炉出力降下に続き中性子束高原子炉トリップ設定値等の変更を実施した。
  2. 運転中の炉心最上部周辺では炉心から放出された中性子が炉心の周りにある水により反射されて集まっており、その中性子群が影響したものと考えられる。このような事象は一般的に燃焼が進むにつれて顕著に見られるもので、燃料の健全性に問題はない。
  3. また、炉心上部の出力評価の方法について再検討し、定期検査直後の諸元に基づき評価していたこれまでの方法から、ウラン燃料の燃焼の進み具合に応じた諸元に置き換えて、出力降下前の出力評価値について再評価を行った結果、制限値を下回っていたことを確認した。
  4. 今後、炉心上部の出力評価にあたっては、当該ウラン燃料の燃焼の進み具合に応じた諸元に基づき評価することとする。また、再度出力分布を測定したうえで、元の出力に復帰することとする。

との連絡がありました。

県としては、八幡浜中央保健所職員が伊方発電所に立ち入り、現場の状況等を確認しました。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

炉心上下端部周辺の中性子ピークの影響が大きくなる傾向の運転期間末期時点での出力分布評価において、運転期間初期の設計値を用いて出力分布を評価していたことによる。

対策

  • 炉心上部の設計値を燃料の燃焼の進み具合に応じた設計値に替えて再評価した結果、制限値を下回っていることを確認し、復旧。
  • 今後、出力分布の評価にあたっては、燃料の燃焼の進み具合に応じた設計値を使用することとし、作業要領書に当該設計値が設定されていることを確認する記載を追加。

県の公表

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