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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成15年度(2003年度)
- 伊方1号機 廃液貯蔵タンクドレン配管の析出物付着
- 通報連絡日時:2003年10月21日11時40分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし
異常の内容
10月21日11時40分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 10月21日(火曜日)11時00分頃、通常運転中の伊方1号機において、廃液貯蔵タンク1Aのドレン配管に、ほう酸と思われる析出物が付着していることをパトロール中の保修員が発見した。
- 詳細は調査中である。
- 本事象によるプラント運転及び環境への放射能の影響はない。
異常の原因及び復旧状況
10月22日(水曜日)9時35分、四国電力株式会社から、異常の原因及び復旧状況について、次のとおり第2報がありました。
- 析出物を取り除いて調査したところ、滲出は既に停止しており、肉眼で確認できる欠陥はなかった。
- 析出物はほう酸であることが確認されたことから、今回の事象は、当該配管に生じた極微小な貫通部からタンク水が滲み出て、含まれているほう酸が析出したものと推定される。
- このため、析出部付近を接着剤で補修し、10月22日9時00分、漏えいのないことを確認した。
- 当該部分については、次回のタンク点検時に合わせて取替を実施することとする。
- 本事象によるプラント運転及び環境への放射能の影響はない。
県としては、八幡浜中央保健所職員が伊方発電所に立ち入り、復旧状況等を確認しました。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
建設時の当該部の現地溶接時において、作業姿勢が十分確保できない状況で溶接作業を実施したことから、溶接不良(溶け込み不良)が生じ、これに廃液給水ポンプの起動時に発生する圧力変動による疲労が加わり、わずかな溶着部分が貫通し系統水がにじみ出て、ほう酸が析出したものと推定される。
対策
- 当該部を含む配管の一部を切断し、新しい配管に取替え復旧。取替えにあたっては、溶接部をより信頼性の高い突き合わせ溶接に変更し、適切な溶接姿勢を確保し実施。
- 関係箇所に本事象を周知し、配管溶接時には適正な溶接姿勢を十分確保した上で作業を実施するよう徹底。
- 建設時には、狭隘な箇所での作業を回避するため施工手順等を考慮し、施工後には非破壊検査・耐圧検査により健全性を確認しており、同様の溶接不良箇所が残存している可能性は低いが、平成15年2月に同様事例があることから、これまで以上に注意してパトロールを実施し不具合の早期発見に努める。なお、安全上重要な系統等で同様な差込み溶接構造の小口径配管については、現在実施している高サイクル疲労による損傷を防止するための対策(計画的な点検調査ないし取替)を着実に実施し、健全性を確認する。