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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成16年度(2004年度)
- ガス絶縁開閉装置設置工事における送電線保護装置の作動
- 通報連絡日時:2004年6月3日10時30分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
伊方2号機定期検査中のガス絶縁開閉装置(GIS)の設置工事において、試充電を実施したところ、電源として使用した送電線の保護装置が作動。
調査の結果、GISに封入された絶縁ガスの分析結果に異常があることが判明。当該GISユニットの分解調査の結果、現地での組立作業において、金属性導体を接続口に差し込む際、互いの部品がわずかに接触して金属屑が発生し、試充電時に、その金属屑の影響で短絡に至ったものと推定。
このため当該GISユニットを新品に取り替えるとともに、同様の組立作業を実施した箇所の開放点検を実施し、金属屑等がないことを確認。
その後、再度試充電を実施し異常のないことを確認し復旧。
プラント運転及び環境への影響はなかった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
甲乙母線連絡ユニットの現地組立において、制御盤とガス絶縁開閉装置(GIS)の自重により、想定以上の導体たわみが発生したため、シールドと導体がわずかに接触し、金属性異物がGIS内に発生。当該異物が試充電により電界の影響を受け浮遊し、絶縁スペーサ沿面の高電界部に付着したことから、放電が発生し短絡に至り、送電線の保護リレーが作動し、試充電が自動停止したものと推定される。
対策
- 短絡個所である幹線ユニット及び連絡ユニット間の当該ブロックを新品に取替え復旧。
- 同じ要領で組み立てたユニットを開放点検し、シールドと導体の有意な接触痕や異物がないことを確認。また、異物確認等を行った上で導体がシールドに接触しないように、組立方法をユニット一体から、導体1本ずつ組み立てる方法に変更して実施後、再度、耐電圧試験と試充電を実施し、異常のないことを確認。なお、念のため、耐電圧試験と試充電時、微少放電の確認及び音波による内部異物の確認によるGISの内部診断を実施し、異常のないことを確認。
- 今後、1号機の定期検査で実施する作業については、今回開放点検したブロック以外の3箇所を開放し、接触及び異物のないことを確認するとともに変更した方法で組み立てる。また、当該事象発生部位のブロックは工場修理後、伊方南幹線用として、1号機定期検査時に同様の変更した方法で組み立てる。