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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成16年度(2004年度)
- 伊方1号機冷却材貯蔵タンク出口配管の傷
- 通報連絡日時:2004年11月22日10時30分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
11月22日(月曜日)10時30分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 11月22日(月曜日)10時00分、定期検査中の伊方1号機において「1号機安全注、入テストライン配管ひび事象」に伴うステンレス配管点検を実施中のところ、冷却材貯蔵タンクCの出口配管で液体浸透探傷検査を実施した結果、欠陥指示(長方形の糊跡に線状指示2本、最大長さ約12mm)を1箇所で確認した。
- 今後、詳細調査を実施する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
県としては、八幡浜中央保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
- ひびには、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れが認められ、破面には塩素の付着が認められたこと
- 当該部の付着物は矩形状でテープが貼り付けられていたような形状であり、何らかのテープの糊跡と考えられるが、当該配管は高温になり得ずテープが焼けた様相も認められないことから、塩化ビニルテープの熱分解による塩化物応力腐食割れではないこと
- 当該部上部の現在使用されていない所内用水配管から、かつて塩化物を含む漏洩水が当該部に落下していた形跡が認められること
以上から、過去の作業に伴い貼り付けられたテープの糊跡に、上部の所内用水配管からの漏洩水に含まれる塩化物が付着して濃縮され、塩化物応力腐食割れが発生したものと推定される。
対策
- ひび割れの認められた当該部位について、配管を取り替える。
- 表面に塩分の付着が認められた当該部上部の冷却材貯蔵タンク戻り配管についても液体浸透探傷検査を実施し、異常のないことを確認した。
- 現在使用していない配管は、撤去又は他の配管に影響を与える恐れのないことを確認する。
- 従来の計画どおりステンレス配管の点検を進めていくとともに、今回と同様にステンレス配管の上部にあり、塩分を含む流体を内包する類似の配管(海水系統、所内用水系統、消火水系統)について漏洩のないことを今定検中に確認する。また、2,3号機についても次回定検において同様の点検を実施する。