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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成16年度(2004年度)
- 伊方3号機余熱除去ポンプ軸受部からの水漏れ
- 通報連絡日時:2005年3月16日0時27分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月16日(水曜日)0時27分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 3月15日(火曜日)23時40分、定期検査中の伊方3号機において、余熱除去ポンプ3Bのメカニカルシール部より、少量の水漏れがあることを作業員が確認した。
- 詳細は、調査中である。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、
- 漏えい量は約0.3トンと推定。
- 漏えいした1次冷却水は全て回収タンクへ回収した。
- 当該ポンプは、今定期検査において分解点検を実施し、当該メカニカルシール等の交換を行った。
との連絡があった。
3月18日(金曜日)14時30分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、別紙のとおり第2報がありました。その概要は、次のとおりです。
- その後、当該部の分解点検を行った結果、1次冷却水が漏えいした原因は、メカシール部のシールリングの取り付け方向が見分けにくい形状であるため、逆向きに取り付けたことから、シール機能が低下したためと確認した。また、その他のメカシール部の部品及びポンプ部品については、問題なかった。
- このため、作業要領書にシールリング取り付けにあたっての注意事項を追記するとともに、品質管理者による立会を確認項目として追加したうえで、メカシールを新品に取り替えてポンプを復旧、運転状態を確認することとする。
- なお、今回の余熱除去ポンプと同様のメカシールを有しているポンプは、1,2,3号機について確認した結果、当該ポンプのみで他のポンプは問題ない。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
また、原子力安全・保安院に確認したところ、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。
県としては、今回の原因が、安全保護系のポンプに係る部品取付ミスであることから、本日、四国電力株式会社松山支店長を呼び、県民環境部長から厳重注意するとともに、再発防止の徹底を要請しました。
また、今後職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認することとしております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
今定期検査での軸封部組立時に、遊動環の取付方向を誤って組み立てたことから、シール部での漏れが生じやすい状態となり、ポンプの運転等により流体圧力が上昇した際に漏えいが生じたものと推定される。
対策
- 作業要領書に遊動環の取付方向の図、取付時の手順及び注意事項を記載するとともに、品質管理者による立会を確認事項として追加したうえで、軸封水部を新品に取替え、試運転により漏えいがないことを確認し、復旧。
- 再発防止対策として、以下の対策を実施する。
- 製作時に遊動環に取付方向を明示し、取付方向の印の確認を作業要領書に追加。
- ヒューマンファクター教訓シートを作成し、関係箇所に周知。
- ポンプ点検の教育内容に追加。
- 品質管理に関する重要ポイントに追加し、作業前ミーティング等で周知。