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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成17年度(2005年度)
- 雑固体焼却設備排気ラインの伸縮継手部のひび割れ
- 通報連絡日時:2005年5月30日15時00分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
5月30日(月曜日)15時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 5月30日(月曜日)14時10分頃、停止中の雑固体焼却設備において、1次セラミックフィルタの入口ラインの伸縮継手部にひび割れがあることを保修員が確認した。
- 今後、詳細調査を実施する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、
- 当該設備については、先週の運転開始前の予熱状態時に3基ある1次セラミックフィルタ入口部に若干温度差があったため、本日点検を実施したところ、1ヶ所のフィルタ入口ラインの伸縮継手部(直径約930mm、ステンレス製)に約125mmのひび割れを確認した。
- なお、当該ライン内は負圧であることから、ひび割れ部から外部への排ガスの漏えいはない。
- 排気筒モニタ、建屋内の放射線モニタ及び継手部周辺の拭き取り試験において異常は認められていない。との連絡があった。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
当該伸縮継手のひび割れの原因は、
- 高温の排ガス中に含まれる亜硫酸ガスと水分が、伸縮継手(ステンレス鋼)と断熱材の隙間で反応して硫酸となり、伸縮継手内表面に付着し硫酸による孔食が発生。
- 当該孔食部に排ガス中の塩素が侵入濃縮するとともに、焼却炉の運転・停止に伴う熱応力により孔食部を起点に塩化物応力腐食割れが発生進展し、貫通に至ったものと推定される。
なお、低温用伸縮継手は、塩素が確認されず、極軽微な孔食とひびに留まったものと推定される。
対策
- 高温用伸縮継手14台について、平成17年中に、より耐食性に優れた材質の伸縮継手に取り替えるとともに、定期的に外面点検を実施する。
- 低温用伸縮継手については、塩素が確認されなかったことから、ひび割れに進展する可能性は低いと考えられるものの、念のため、同様に定期的に外面点検を実施する。