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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成17年度(2005年度)
- 伊方2号機第5高圧給水加熱器B水室仕切板の点検用蓋固定ボルトの脱落
- 通報連絡日時:2005年9月12日11時55分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
9月12日(月曜日)11時55分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 9月12日(月曜日)11時15分、定期検査中の伊方2号機において、第5高圧給水加熱器Bの水室仕切板に取り付けている点検用蓋を固定している32本のボルトのうち、5本が脱落していることを保修員が確認した。
また、ボルトを固定している5個の座金のうち2個の一部が欠落していた。 - 今後、詳細を調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、
- 調査の結果、ボルト5本及び座金5個は回収した。
なお、回収した座金のうち、2個の座金の一部が欠けているため、今後欠けた部分を回収するため調査を実施する。
との連絡があった。
9月22日(木曜日)14時00分、四国電力株式会社から、その後の調査状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、調査の結果、第5高圧給水加熱器内部で座金2個の欠落部分を発見し、回収した。
- また、32本のボルトのうち18本にガタつきが認められたが、座金による廻り止めが効いていることを確認した。
- 今後、当該給水加熱器伝熱管の健全性を確認するとともに、脱落原因の調査を引き続き実施する。
また、原子力安全・保安院に確認したところ、座金の欠損部分が当該加熱器内で発見されたため、安全上重要な機器である蒸気発生器を傷つける恐れがないと判断されることから、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、調査状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
ボルト脱落の原因は、
- 設計段階で、当該加熱器の出入口水室間のシール性のみからボルト締め付けトルクを規定したため、ボルトのかえりの存在、座金曲げ加工に伴う外力など、設計段階で考慮していなかったボルト軸力低下要因に対する余裕がなく、これらが重畳した結果、軸力が喪失した。
- 当該ボルト・座金の組合せでは寸法的に座金の回り止め機能喪失に至るまでの余裕が少なかったため、わずかなギャップの拡大により、軸力を喪失したボルトが運転中の微小振動により回転、弛緩した。
ためと推定される。
対策
- 当該部等設計を変更し、ボルト、座金及び仕切蓋を新品に取り替えるとともに仕切蓋取付座の改造を行い復旧する。
- ボルトのサイズアップ:
直径12mm→16mm - ボルトの材質の変更:
ステンレス→高温用ボルト鋼材 - 初期締付トルク:15Nm→75Nm
- 締付トルクがガスケットの圧縮に有効に作用するよう、かえりのないボルトを使用する。
- ボルトのサイズアップ:
- A号機についても、今定期検査中に同対策を実施する。
- 脱落したボルト及び座金は、全て回収。当該ボルト等が接触していたと考えられる管板肉盛溶接部について、液体浸透探傷検査により異常のないことを確認。また、B号機伝熱管全数について、渦流探傷検査を実施し、健全性を確認。
- 同一構造の1号機第5高圧給水加熱器2基については、次回定期検査において、同対策を実施する。
- その他、同様の構造の給水加熱器等については、設計上、同様の問題がないことを確認。