平成17年度(2005年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機余熱除去系統配管の液体浸透探傷検査による指示確認

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通報連絡日時:2005年11月10日15時00分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

11月10日(木曜日)15時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 11月10日(木曜日)14時30分頃、定期検査中の伊方2号機で、余熱除去系統配管取替工事に伴い、取替配管近傍のサポート(配管支持構造物)の取替を実施していたところ、サポート部の配管に液体浸透探傷検査による欠陥指示を確認した。
  2. 今後、詳細調査を実施する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力から

  • 欠陥指示は、配管がサポートと接する部分で、約10cm×11cmの範囲に多数確認された。
  • 当該配管の仕様は、直径165mm、厚さ18.2mm、ステンレス製。

との連絡があった。

11月30日(水曜日)14時20分、四国電力株式会社から、調査状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 当該配管を切り出して確認した結果、ひび割れが確認され、配管表面から最大3.1mmの深さまで進展していたが、当該配管の残り厚さは14.6mmあり、強度上必要とされる厚さ(12.91mm)を満足しており、当該配管の強度に問題はなかった。
  2. ひび割れについて、金属組織の詳細調査を行った結果、塩化物応力腐食割れによるものと推定された。3今後、当該箇所の配管を新品に取り替えるとともに塩化物応力腐食割れの発生した原因について調査を行う。4本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

また、原子力安全・保安院では、本事象については、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。

県としては、配管取替え等復旧状況を確認することとしています。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

  1. 傷表面には、ひび割れとともにピットが認められ、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れが認められたこと。
  2. 傷の破面に塩素が認められたこと。
  3. 傷が認められた範囲はほぼ長方形であり、テープが貼り付けられたような形状であったこと。
  4. 2号機建設時は配管識別等で塩化ビニルテープを使用しており、当該部についても貼り付けた可能性があること。
  5. プラント起動時に余熱除去系統水(約100℃~約150℃)が流入し、塩化ビニルテープから塩素イオンが熱分解・残留する可能性のある100℃~250℃の領域まで温度が上昇する可能性があること。

以上のことから、建設当時に当該配管に貼り付けられた塩化ビニルテープが、その後のプラント起動時に当該配管に流入した高温水により熱分解し、塩化物応力腐食割れが発生したものと推定される。

また、過去に実施した配管付着物調査で確認できなかった原因は、取り外しのできない門型サポートに囲まれた狭隘部であり、更に、前後が弁、曲管であるため直視が特に困難であったこと、既にテープそのものが剥落し、厚みのない痕跡(さび)のみとなっていたためと推定される。

対策

  • 傷の認められた当該部位について配管を取り替える。また、余熱除去系統配管工事に関連して同様に門型サポートからの取替を行った3箇所について、液体浸透探傷検査を実施し異常の無いことを確認。
  • 既に付着物調査を終了した配管に塩化ビニルテープに起因したと推定されるさび及び塩化物応力腐食割れが確認されたことから、これまでに調査を終了した配管のうち、付属品の取り外しができないために確認が十分でない可能性のある箇所として、当該サポートと同じ構造である門型サポートに囲まれた狭隘部(11箇所)を抽出し、再度、さび等の付着物の有無について詳細な点検を行い、異常の無いことを確認。
  • 1,3号機についても、現在計画的に点検中のものと併せ、次回定期検査時に同様の点検を実施する。
  • 今後の付着物調査にさらに万全を期すため、従来、作業要領書読み合わせ時に教育として実施していた狭隘部点検時の注意事項を作業要領書に記載。

県の公表

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