平成17年度(2005年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機安全注入系統のドレン配管溶接部からの漏えい

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通報連絡日時:2005年12月20日18時15分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

12月20日(火曜日)18時15分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 12月20日(火曜日)17時23分、定期検査中の伊方2号機で、安全注入系通水試験の準備作業として通水した際、当該ドレン配管と弁との溶接部付近から漏えいしていることを保修員が確認した。
  2. 今後、詳細を調査する。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

12月20日(火曜日)21時45分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、当該ラインを隔離し、18時10分に漏えいは停止した。漏えいした水は約2.5リットル、放射能量は約1.9×103ベクレルと推定される。
  2. 漏えい水は、原子炉格納容器サンプに回収されている。また、当該事象に係る作業員等への汚染・被ばくはない。
  3. 今後、当該箇所を新品に取り替えるとともに、原因調査を実施する。
  4. 本事象による環境への放射能の影響はない。

1月13日(金曜日)13時10分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、当該箇所を新品に取り替え、1月13日11時30分、漏えいの無いことを確認し、復旧した。
  2. なお、漏えい箇所の外表面の浸透探傷検査において、ドレン配管溶接部に欠陥指示(円周方向に長さ約28mm)を確認したことから、現在、原因調査を実施している。

県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認することとしております。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

当該ドレン配管溶接部のひびは、

  • 当該ドレン配管とドレン弁はソケット溶接形状でであり、溶接端部に応力が集中し、比較的疲労強度が低い形状であったこと
  • 通水確認時は、安全注入テストライン弁を閉止しており、空気溜まりによる圧力変動の影響を受けやすい系統構成であったこと
  • 当該ドレン配管の近傍には、高圧仕様の逃し弁が設置されており、逃し弁が動作した場合には大きな振動が当該ドレン配管に発生すること

により、過去の定期検査時の逃し弁の動作によりひび割れが発生し、進展・貫通に至ったものと推定される。

対策

  • 当該ドレン配管及び弁を新品に取替え復旧。なお、疲労強度の高い改良型溶接継手へ変更。
  • 逃し弁動作時に配管の振動発生を防止するため、安全注入テストライン逃し弁に支持構造物を設置。
  • 取替え後の通水試験は、圧力変動の影響を受けないよう安全注入テストライン弁を開とした状態で高圧注入ポンプを起動するとともに、出口弁を徐々に開とするように手順を改善したうえで試験を行い、異常のないことを確認。また改善手順に関するワンポイントレッスンを作成し関係者に周知。
  • 当該以外の系統は、系統構成の違い等から同様事象発生の可能性は低いが、念のため、安全上重要な系統等についてPTにより健全性を確認。その他の系統も次回定期検査で健全性を確認する。また、振動の影響を防止するための支持構造物の設置が有効な箇所について、次回定期検査で改造を行う。
  • 1,3号機についても、次回定期検査で同様な点検等を行う。

県の公表

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