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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成17年度(2005年度)
- 伊方2号機封水注入流量の低下
- 通報連絡日時:2006年2月14日23時20分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
2月14日(火曜日)23時20分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 2月14日(火曜日)22時44分頃、定期検査中の伊方2号機で、中央制御室に「封水注入流量の低下」を示す信号が発信した。
- 現在、原因を調査中である。
- 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力から
- 一次冷却材ポンプの封水注入流量の低下は、充てんポンプ流量の低下によるものと推定されることから、2台運転していた充てんポンプを3台運転とし、22時51分、流量は通常状態に回復した。
- 今後、充てんポンプの調査等の原因調査を実施する。
- なお、当該事象による一次冷却水の漏えいはない。
2月21日(火曜日)11時00分、四国電力株式会社から、復旧状況等について次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、充てんポンプ2B出口ラインに設置された加圧防止用の逃し弁が本来の設定圧力以下で動作していることが確認されたため、当該弁を分解点検した結果、弁体のシート面に傷があることなどを確認した。
- このため、弁体を取り替えるとともに、その他の部品の手入れを行って当該弁を復旧した後、ポンプの運転状況を確認し、2月21日10時30分異常のないことを確認した。
- 今後、充てんポンプ2A及び2Cの逃し弁についても分解点検し、原因調査を実施する。
- なお「封水注入流量の低下」を示す信号の発信は、充てんポンプから封水とし、て送り出した一次冷却材が、当該逃し弁を経由して充てんポンプ入口ラインに戻ったため一時的に注入量が低下したものと考えられる。
また、原子力安全・保安院では、本事象については、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。
県としては、八幡浜保健所職員が伊方発電所に立ち入り、調査状況等を確認することとしています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
一次冷却材ポンプ封水注入流量の低下の原因は、往復動式の充てんポンプの出口にある逃し弁において、
- バネ周囲が湿潤な雰囲気であるため、バネに腐食が発生し、わずかに線径が減少したことにより閉止力が低下したこと
- 通常運転中は、脈動成分を含む充てんポンプの出口圧力が常時作用することにより、弁体・弁座シート面のわずかな隙間に1次系の水が徐々に浸透することにより軽微な肌荒れを生じ、シート面のシール性が徐々に低下したこと
これらが重畳し、吹き出し圧力が通常運転時の圧力付近まで低下し、B号機の出口逃し弁が動作したため、注入流量が減少したことによるものと推定される。
対策
- 逃し弁3台について、バネに防錆塗料を塗布するとともに、弁体を新品に取替え、吹き出し試験により、規定の圧力で動作することを確認し復旧。
- 1・2号機の当該逃し弁(計6台)の分解点検周期を10定期検査に1回から5定期検査に1回に見直し、点検計画に反映する。なお、3号機は型式が異なるため同様事例は発生しない。
- 当該バネについては、予防保全対策として、次回定期検査時にステンレス鋼製に取替える。