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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成18年度(2006年度)
- 伊方2号機制御バンクD制御棒1本の位置ずれ
- 通報連絡日時:2006年12月16日12時00分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:国において確認中 備考:今回発表
異常の内容
12月16日(土曜日)12時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 本日11時10分頃、定期検査中の伊方2号機において、炉物理検査中のところ、制御バンクDの制御棒1本の位置が同バンクの他の制御棒とずれていることが確認された。
- 詳細は調査中である。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
- 原子炉は臨界状態で、出力0%の状態である。
その後、四国電力株式会社から、
- 制御バンクの制御棒全数を全挿入とし、13時24分未臨界状態とした。
- その後、一次冷却材ほう素濃度を上げて、16時19分から制御棒の引き抜き、挿入操作により動作確認を行ったところ同じ制御棒で位置ずれが確認された。
- 今後詳細に点検する。
との連絡があった。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
- 制御棒駆動装置の動作再現確認において、同事象が発生したが、その後の40回の繰り返し動作確認において位置ずれは再現しておらず異常は認められなかったことから、一時的に動作が緩慢となることにより異常が発生したと考えられる。
- その原因としては、
- プラント停止時の直後に、1次冷却材中にクラッドが一時的に増加した。
- 炉内に挿入した制御棒駆動軸への付着等により駆動装置内に進入した。
- 進入したクラッドが駆動機構の可動つかみ部動作部分に付着した。
- 微小なクラッド等の付着により可動つかみ部動作部分の摺動抵抗が通常に比べてやや高くなり、ラッチ部の動作時間遅れが発生した。
- これにより、可動つかみラッチ部のツメが駆動軸の溝に十分かみ合わない状況となり、この状態で固定つかみラッチがはずれたことから、制御棒が自重により挿入された。
- 約20ステップスリップした時点で、可動つかみラッチ部が駆動軸にかみ合い制御棒のスリップが停止した。
- その後、制御バンクDの動作試験を繰り返し実施した結果、制御棒は正常に動作する状態となっていることを確認した。
対策
- 今後制御棒動作時には念入りに動作状況を確認する。
- 制御棒動作試験時(2ヶ月毎)及びステムフリーテスト時(2ヶ月毎)には制御棒を操作することから、念のため当面の間、制御棒動作時のデータを採取し、異常のないことを確認する。
- プラント停止時には、1次冷却材中のクラッドは一時的に増加し、制御棒駆動軸にクラッドが付着し、起動時に制御棒駆動軸の操作により駆動装置に入り込む可能性があるため、プラント停止時の脱ガス運転時及び起動時の制御棒作動までの間は水質改善のために浄化流量を最大とし、クラッドの低減に努める。また、通常運転中においてクラッド濃度は低濃度で安定しており同様な事象が発生する可能性は低いが、クラッド濃度を適時測定し、適切な浄化流量で管理する。