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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成19年度(2007年度)
- 伊方1号機湿分分離加熱器1A出口フランジ部からの蒸気漏えい
- 通報連絡日時:2007年6月10日3時00分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
6月10日(日曜日)3時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 6月10日(日曜日)2時20分、定期検査における起動操作中の伊方1号機で、湿分分離加熱器1Aの出口フランジ部から蒸気漏えいしていることを確認した。
- 詳細は確認中である。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、次のとおり連絡がありました。
- 漏えい部の点検を実施するため、2時35分から原子炉出力降下を開始し(5.5%)、3時25分原子炉出力0%で整定している(原子炉は臨界状態)。
- 詳細は今後調査する。
点検結果等
6月12日(火曜日)17時45分、四国電力株式会社から、点検結果等について、次のとおり第2報がありました。
- 点検の結果、1Aのフランジシート面とガスケットに隙間があり、そこから蒸気が漏えいしたものと推定された。
- また、1B、1C、1Dのフランジを点検したところ、1Dについて微小な隙間の発生のおそれが確認された。1B、1Cについては、異常がなかった。
復旧状況等
6月15日(金曜日)11時40分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり第3報がありました。
- 1A、1Dフランジ当たり面の手入れを行い、当該フランジの組み立てにあたっては、従来のフランジ取付ボルトのトルク管理に加え、フランジ面間の隙間の管理を実施した。
- その後、タービンを起動し、蒸気を通気した状態で、1A、1D及び1B、1Cの当該フランジ部に漏えいのないことを6月15日(金曜日)11時30分確認した。
- 原因調査については、継続して行う。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しています。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
前回の定期検査時に、湿分分離加熱器本体の取替を実施していた。出口フランジ部については、フランジ内径が若干大きかったことから、今回の定期検査時に取替を実施していたが、フランジ取付溶接部の手直し溶接に伴い、フランジシート面が変形し、それにより、規定のトルクで締め付けても、フランジシート面とパッキンには隙間が生じ、そこから蒸気が漏えいしたものと推定される。
なお、フランジの溶接作業において、熱変形を防止するため、配管内面に変形防止治具を取り付け、溶接による収縮を考慮した手順で溶接作業を実施したが、フランジシート面まで変形が及ぶことまでは、想定していなかった。
対策
- 当該フランジのシート面を修正加工することにより変形を取り除き、フランジシート面の当たり確認を実施し、シート面の全面に当たりがあることを確認し、ガスケットを新品に取り替えて復旧した。また、湿分分離加熱器1Dのフランジについても同様の対策を行い、復旧した。
- 当該フランジラインのフランジ締め付け作業時には、規定トルクでの締め付けに加えて面間測定を実施し、適正なガスケットの圧縮量であることを確認するとともに、フランジシート面とガスケットに隙間が生じていないことを確認することとし、その旨作業要領書に記載する。
- フランジ取り替え作業時は、フランジ組立前に、当たり確認又は隙間測定を実施し、フランジシート面に変形がないことを確認するよう社内マニュアルに追加する。