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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成19年度(2007年度)
- 伊方3号機ヒドラジン原液タンク抜取作業中のヒドラジン漏えい
- 通報連絡日時:2007年9月13日11時30分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
定期検査中、ヒドラジン原液抜取作業中のところ、ヒドラジンが漏えいした。抜取作業を中断し漏えいは停止した。
調査の結果、ヒドラジン原液タンクから仮設受入容器へ仮設ポンプによりヒドラジンを移す際、ヒドラジン約20リットルが仮設受入容器から溢れ、地面及び側溝に漏えいした。
漏えいしたヒドラジンは回収し、総合排水処理施設で処理した。作業員の負傷はなかった。
環境への影響はなかった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
ヒドラジン原液タンク抜取作業中にヒドラジンが漏えいした原因は、
- これまで、タンクの開放点検時には、抜き取り量を仮設タンク1基(約1m3)でまかなえるようタンク液レベルをできるだけ下げていたため仮設受入容器を2基以上使用することはなく、仮設ポンプの停止、仮設ホースの差し替えという作業はなかった。今回、抜き取り作業時に、ヒドラジン受入により、仮設受入容器のレベルが規定値になり仮設ポンプを停止したが、原液抜き取り弁を「開」のままにしていたことで、ヒドラジン原液タンクと仮設受入容器とのレベル高低差により、仮設ポンプを経由してヒドラジンが流れたことによる。
- 液抜き取り弁を「開」のままとしていたのは、作業要領書に細かい操作手順の記載がなかったこと、過去の作業において仮設ポンプの停止、仮設ホースの差し替え作業がなかったことから、作業関係者が仮設ポンプの構造・特性を知らず、仮設ポンプを停止しても液レベルの高低差により流れることに気づかなかったことによる。
対策
- 当該作業に関し作業手順を以下のとおり改善することとし、その旨作業要領書を改正する。
- a.仮設ポンプの入口に仮設入口弁を設置し、移送停止時は、仮設入口弁を全閉するとともに、仮設ポンプを停止する手順とする。
- b.万一の漏えいを考慮し、移送作業エリアにシート等を用いた仮設防液堤を設ける。同一箇所で監視及び操作ができるように、仮設防液堤の中に仮設ポンプ・仮設入口弁・仮設受入容器を設置する。
- c.作業要領書に、仮設ポンプ図面を添付し、作業要領書読み合わせ時に仮設ポンプの構造、特性について作業員に周知徹底する。
- 他の類似した液抜き取り作業の作業要領書について、細かい操作手順や万一の漏えいを想定した仮設防液堤設置等の対策がなされていることを確認し、不足しているものは、作業要領書の見直しを行う。
- 新たに作業要領書を作成する際の注意事項を定めているマニュアルに液抜き取り作業時の注意事項を追記する。