- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成19年度(2007年度)
- 伊方2号機充てんラインのベント配管からの蒸気漏えい
- 通報連絡日時:2008年3月16日6時30分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月16日(日曜日)6時30分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 3月16日(日曜日)5時50分頃、定期検査中の伊方2号機で、原子炉格納容器内のベント配管付近から蒸気が漏えいしていることを保修員が確認した。
- 今後、詳細を調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
3月16日(日曜日)14時30分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、再生熱交換器出口のベント弁の下流配管の溶接部付近からの漏えいであることを確認した。
- 当該ベント弁を増し締めして8時11分に漏えい停止を確認した。
- 当該ベント弁にはシートリークはなく、弁の閉止機能には異常はない。
- 格納容器内放射線モニタ等の指示に変化はなく、格納容器排気筒からの排気もしていない。
- 漏えいした蒸気は、格納容器内で回収され、廃液処理装置で処理する。
(漏えい推定量は最大でも6.6リットル、放射能量4.9×104ベクレル) - 今後、当該漏えい部の修理を行い、その後原子炉起動操作を実施するとともに、引き続き原因調査を実施する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。また、漏えいした蒸気による保修員の被ばくはない。
復旧状況等
3月17日(月曜日)16時45分、四国電力株式会社から、復旧状況について次のとおり連絡がありました。
- 当該ベント弁の下流配管を新品のものと取り替えて、復旧した。
- 今後、引き続き原因を調査する。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
- ひび割れの形態は、塩化物応力腐食割れの特徴である枝分かれした粒内割れであり、破面に塩素が認められた。
- プラント運転中の当該配管の温度は約130℃~150℃であり、ステンレス鋼に溶存酸素と塩化物が存在した場合に塩化物応力腐食割れが発生する可能性のある50℃超過の温度領域であった。
- 当該配管はソケット溶接であり、カップリングと配管には隙間があることから、何らかの要因で偶発的に内部に混入した塩化物が残留したと推定される。
以上のことから、第15回定検(平成13年9月~12月)の配管取替工事において何らかの要因で偶発的に当該配管内部に混入した塩化物が残留し、その後の運転段階において、塩化物応力腐食割れの発生条件が成立し、塩化物応力腐食割れが進展して貫通することにより、蒸気漏えいが発生したものと推定される。
対策
- ひび割れの認められた当該配管を新品に取り替えた。
- 当該配管への塩化物の混入経路を特定できないため、2号機第15回定検で取り替えた同型のベント・ドレン弁下流側配管全数について、第21回定検(次回)で、配管外面の浸透探傷検査(PT)及びファイバースコープ等による配管内面の点検を実施する。
- ベント・ドレン弁下流側配管にひび割れが生じても、弁の閉止機能が健全であればプラント運転への影響はないが、念のため、1~3号機において、2号機第15回定検と近い時期に取り替えた同型のベント・ドレン弁下流側配管全数並びにプラント建設以降に取り替えた同型のベント・ドレン弁下流側配管のうち、安全上重要な系統及び放射能を有する系統に属するものについて、次回の定検で、配管外面のPTおよびファイバースコープ等による配管内面の点検を実施する。