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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成19年度(2007年度)
- 伊方2号機余熱除去系統B系統の異常
- 通報連絡日時:2008年3月21日19時30分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月21日(金曜日)19時30分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 3月21日(金曜日)19時00分頃、調整運転中の伊方2号機で、停止している余熱除去系統B系統の圧力がわずかに上昇しているため、調査したところ、当該系統に接続している原子炉補機冷却水系統からの漏れ込みの可能性があることを確認した。
- 今後、詳細を調査する。3本事象による環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、次のとおり連絡がありました。
- 余熱除去系統B系統の圧力が、通常約0.4MPaであるところ、約0.7MPaとなっていた。
- 余熱除去冷却器及び余熱除去ポンプのメカニカルシール部の冷却用として、原子炉補機冷却水(圧力約0.7MPa)が用いられている。
- 原子炉補機冷却水系統の放射線モニタは上昇していない。
- 余熱除去系統B系統を隔離して調査するため、20時45分保安規定に定める運転上の制限を逸脱した。保安規定に定める運転上の制限:低圧注入系(余熱除去系統)の2系統が運転可能であること。
- 今後、詳細について調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
復旧状況等
3月25日(火曜日)13時00分、四国電力株式会社から、復旧状況について次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、余熱除去B系統の圧力上昇の原因は、原子炉補機冷却水系統からの漏れこみではなく、余熱除去B系統入口と1次冷却材系統との間の電動弁の閉止状態が不完全であることが確認された。
- 当該電動弁の増し締めを行ったところ、余熱除去B系統の圧力上昇が止まった。その後、圧力変化のないことを確認し、3月25日(火曜日)12時30分、通常状態に復旧した。
- 本事象による環境への放射能の影響はありません。
[保安規定で定める運転上の制限を逸脱した時間(余熱除去ポンプ2B待機除外):3月21日20時45分から3月23日17時40分]
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しております。
また、原子力安全・保安院に確認したところ、本事象については、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
系統を隔離して調査した結果、余熱除去系統B系統の圧力上昇は、同系統入口ラインの隔離弁のシートリークによる1次冷却系統からの漏れ込みによるものと判明。
プラント起動時の1次冷却系統昇圧・昇温の際、弁上下流の差圧や温度変化等により弁体・弁座の当たり状態が僅かに変化したことからシートリークが発生したものと考えられる。なお、漏れ込み箇所の特定に時間を要したのは、余熱除去系統入口ラインの隔離弁のシートリークを容易に検知できなかったためである。
対策
- 次回定検にて、当該弁本体の分解点検を実施し、シート面の状態を確認するとともに、弁駆動部の点検を実施する。
- 1~3号機について、今後、プラント起動時には、余熱除去系統入口ラインの隔離弁間のドレン弁に仮設圧力計を設置し、隔離弁のシートリークによる圧力上昇がないことを確認する。なお、今回と同様な弁体・弁座の当たりの変化に起因したシートリークにより圧力上昇があった場合には、弁の増し締めや弁間の圧抜きなどによるシート機能の回復処置を行う。これらについては、定検の工程表に反映させるとともに、作業要領書を作成する。