- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成20年度(2008年度)
- 非常用ディーゼル発電機3B始動用空気圧縮機の異常
- 通報連絡日時:2008年10月29日17時40分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
定期検査中の伊方3号機で、非常用ディーゼル発電機3Bの始動用空気圧縮機に異常があることを、保修員が確認。
当該空気圧縮機は3段のシリンダを通過して順に圧縮空気の圧力を高めるもので、このうち2段目シリンダ通過後の圧力が通常より高くなり、安全弁が動作していた。
その後の調査の結果、2段目シリンダへの潤滑油配管途中にある逆止弁の動きが悪く、十分な潤滑油が供給されなかったため、2段目シリンダのピストンリングがピストンに固着し、隙間ができていた。
この隙間を通って、3段目シリンダから2段目シリンダへ圧縮空気が漏れ、2段目シリンダ内の圧力が通常より高くなり、安全弁が動作したものと推定される。
不具合の認められた逆止弁、ピストン及びピストンリング等を新品に取り替え、通常状態に復旧した。
復旧までの間も非常用ディーゼル発電機3Aが待機中であり、非常用電源の確保に問題はなかった。
本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はなかった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
空気圧縮機の2段目安全弁が動作した原因は、2段目シリンダへの潤滑油供給配管の逆止弁の動作不良が生じたことから潤滑油が供給されなくなり、2段目シリンダのピストンリングが摩耗して隙間ができたことから、3段目シリンダから2段目シリンダへ圧縮空気が漏れ、2段目系統内の圧力が通常より高くなり、2段目安全弁が動作したものと推定される。
逆止弁の動作不良の原因は、逆止弁内部に滞留した潤滑油が長期の間に次第に変質劣化して硬化するとともに、不溶性スラッジが生成し、それが逆止弁の流路部や鋼球、コイルばねに付着して、閉固着となったものと推定される。
対策
- 空気圧縮機3Bの逆止弁、ピストン及びピストンリング等を新品に取り替えた。
- 空気圧縮機3Aの逆止弁を念のため新品に取り替えた。
- 3号機非常用ディーゼル発電設備の空気圧縮機の分解点検時には逆止弁を取替えるとともに、毎定検時の潤滑油交換時には逆止弁の動作試験を実施することとし、その旨を作業要領書に反映する。