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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機海水淡水化装置建屋内での塩酸の漏えい
- 通報連絡日時:2009年7月31日12時20分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
7月31日(金曜日)12時20分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 通常運転中の3号機において、7月31日(金曜日)11時27分、海水淡水化装置建屋内において塩酸ガスの検知を示す信号が発信した。
- 運転員が現場を確認したところ、建屋内に設置する塩酸貯槽から塩酸が漏えいしていることを確認した。このため、海水淡水化装置建屋への立入を禁止するとともに、運転中であった海水淡水化装置A号機を停止した。
- 漏えいした塩酸は、海水淡水化装置建屋内の漏えい防止堰内及び排水貯槽に留まっており、建屋外部への塩酸の漏えいはない。
- 放射能による外部への影響はない。
7月31日(金曜日)17時30分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。
- その後、点検のために液抜きを開始し、7月31日(金曜日)13時04分に塩酸貯槽の液面が漏えい箇所(貯槽高さ約4.6mのほぼ中央に生じた貫通口)より低下したことから、漏えいは停止した。
- 塩酸貯槽内に残っていた塩酸は、漏えいした塩酸(約160リットル)とともに逆洗排水槽(排水貯槽)に全量(約10m3)回収した。
- 回収した塩酸は、中和処理を行い総合排水処理装置に移送する。
- 建屋周辺の環境大気中の塩酸ガス濃度を測定した結果、測定機器の検出限界以下(0.1ppm未満)であることを確認した。
- 今後、詳細を調査するとともに、当該箇所を補修して復旧する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
復旧状況等
8月11日(火曜日)17時10分、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、漏えい箇所には約6mm×約1mmの貫通穴及びその周りに約60mm×約60mmの塩酸による胴板の減肉が認められたため、あて板(約120mm×約120mm)を貯槽外面より溶接により取り付け、貯槽内面よりゴムライニングの張り替えを実施した。また、当該箇所以外の貯槽内外面について、異常の無いことを確認した。その後、塩酸を受入れ、本日17時00分に漏えいのないことを確認し、復旧した。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
県では、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
塩酸貯槽の内面点検を実施した結果、前回の点検時(平成20年8~9月)にゴムライニングを補修した2箇所のうち、1箇所にゴムライニングの剥がれが認められた。
ゴムライニングの補修を実施した際、貯槽内を送風機にて換気を行っていたが、補修箇所のみをハンドドライヤーにより乾燥させていたため、補修箇所以外の既設ゴムライニングの乾燥が十分でなく、接着材が硬化するまでに補修箇所が湿潤となり、既設ゴムライニングと補修用ゴムの接着力が弱く、時間の経過とともに接着部にゴムの剥がれが生じて、その部分の胴板(炭素鋼)が塩酸により腐食され貫通穴が生じ、漏えいに至ったものと推定。
対策
- 漏えい箇所について、塩酸貯槽外面より当て板を溶接するとともに、貯槽内面については減肉箇所を肉盛溶接にて平坦に仕上げた後、ゴムの貼り替えを実施した。また、前回の点検で補修を実施した他の1箇所についても、念のためゴムの貼り替えを実施した。
- 薬品タンクゴムライニング修繕作業要領書に、「既設のゴムライニングの乾燥作業には、所内用空気およびスポットクーラーを用いて乾燥させる。」旨を追記する。また、乾燥時間についても明記する。