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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機復水器への海水の混入
- 通報連絡日時:2009年9月25日10時45分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
9月25日(金曜日)10時45分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 9月25日(金曜日)10時30分頃、通常運転中の伊方3号機において、復水器細管のボール洗浄後、復水器ホットウェル3Bの導電率指示に有意な上昇があったことから、水質を確認した結果、ナトリウム及び塩素が検出されたため、微量な海水が復水器内に混入しているものと推定した。
10時30分現在の導電率約0.3マイクロジーメンス/cm
注意信号設定値0.3マイクロジーメンス/cm - 混入した海水は、復水脱塩装置により除去されるため、運転継続に問題はない。
- 今後、監視強化を行うとともに、計画的に調査する。
その後の状況
10月7日(水曜日)13時10分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- その後、復水器ホットウェル3Bの導電率は約0.3マイクロジーメンス/cmで安定しており、プラントの運転継続に問題はないものの、予防保全の観点から、10月13日から出力を約95%まで下げて、約1週間程度の予定で復水器ホットウェル3Bへの海水混入の調査・処置を行うこととした。
復旧状況
10月16日(金曜日)13時50分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 復水器ホットウェル3Bへの海水混入の調査を行った結果、細管の1本が漏えいしていることが判明したため、当該細管に施栓を行った。
- 渦流探傷検査の結果、施栓の判定基準に達してなかったものの、微少な指示が見られたもの及び漏えい細管の周囲の細管など20本について、念のため、予防施栓を行った。
- その後、定格熱出力運転に復帰し、10月16日(金曜日)13時30分、海水の混入がないことを確認した。
13時30分現在の導電率約0.07マイクロジーメンス/cm - 次回定期検査時に漏えい細管の詳細調査等を実施する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
県としては、八幡浜支局原子力安全室の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
当該管の金属調査等の結果、細管損傷の原因は、細管外面からのドロップレットエロージョン※であり、細管外面からの小さな点状の減肉が徐々に進行し、貫通に至ったものと推定。
当該箇所近傍は蒸気流速の速いエリアであること、また、当該部は上部にダンプスプレイのノズルがあり、ノズルからの水がドレン配管のサポート板をつたわって当該管に衝突する可能性があることから、当該管に高速の蒸気とともに水滴が衝突して、ドロップレットエロージョンが発生したと推定。
※ドロップレットエロージョン:
タービン排気蒸気等の水滴や凝縮水が、高速な気体とともに細管等に衝突することにより、細管表面を浸食する現象。
対策
- 復水器3B水室の漏えい細管特定時(平成21年10月)に、漏えい管1本及び渦流探傷検査の結果から微小な指示が認められた細管とその周囲の細管など20本の合計21本について、施栓を実施した。
漏えい管以外で施栓をした20本のうち、2本については、定期検査時に外観目視点検および類似細管の抜管調査を行った結果、凹み等の異常は認められなかったため、施栓を取り外し、施栓細管は合計18本となった。 - 復水器水室3A、3C、3Dの細管のうち、漏えい管と同じ位置でかつ流速の早い復水器壁側の細管およびその周辺の細管(既施栓分以外)合計17本について、施栓を実施した。なお、今回の施栓による運転への影響はない。
- 流速の早い復水器壁側で施栓を実施した細管の周りの細管については、当面は毎定検、外観目視点検を実施する。また、外周細管の高感度ECTについては、今回の漏えい箇所と同様な波形の有無を確認することとし、同様な波形が認められた箇所については、目視点検を実施する旨、作業要領書に記載した。