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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機一次冷却材中のキセノン濃度の上昇
- 通報連絡日時:2009年11月19日17時20分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
平成21年11月19日(木曜日)17時20分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 通常運転中の3号機において、11月19日(木曜日)16時50分、一次冷却材中のキセノン-133濃度が通常の約5倍程度に上昇していることを確認した。
- 今後、監視を強化し、詳細調査を行う。
- 本事象による環境への放射能の影響及びプラントへの影響はない。
その後、四国電力株式会社から、
- キセノン-133濃度は、現在、60ベクレル/cm3である。
- エリアモニタ、排気筒モニタ及び冷却材モニタの指示値に変化はない。
- 通常1ヶ月に2回実施している一次冷却材中のキセノン-133濃度測定を強化し、毎日実施する。
との連絡があった。
その後の状況
1月7日(木曜日)10時40分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 定期検査に伴う停止操作中の3号機において、1月7日10時20分、一次冷却材中のよう素-131濃度が通常より高いことが確認された。
- 一次冷却材中のよう素-131濃度
- 通常値:約0.2ベクレル/cm3
- 今回の測定値:約0.5ベクレル/cm3(1月7日9時の採取データ)
- 一次冷却材中のキセノン-133濃度
- 通常値:約13ベクレル/cm3
- 今回の測定値:約120ベクレル/cm3(1月7日6時50分の採取データ)
- 一次冷却材中のよう素-131濃度
- 燃料からの漏えいがあるものと推定されることから、今後漏えい燃料の特定調査を実施する。
本日の通報連絡内容
1月22日(金曜日)14時30分、四国電力株式会社から、漏えい燃料の調査結果について、次のとおり、連絡がありました。
- 燃料集合体全数(157体)について、シッピング検査を実施した結果、燃料集合体1体に漏えいが認められた。
- その他の燃料集合体については、漏えいがないことを確認した。
- 漏えいが認められた燃料集合体は、再使用の対象外であり、今後、更に点検を行うとともに、製造履歴、使用履歴等を調査する。
- 本事象により微量の放射能の放出を行ったが、周辺環境への影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
漏えいが認められた燃料集合体1体の全ての燃料棒(264本)に対し、超音波調査を実施した結果、漏えい燃料棒1本を特定した。
当該燃料棒の全長に亘り、ファイバースコープによる詳細調査を実施した結果、第1支持格子内において支持板やばね板と燃料棒の間に隙間等が認められた。
第1支持格子内全ての燃料棒についてファイバースコープにより調査した結果、隙間等の異常は認められなかった。
今回の燃料集合体からの放射性物質の漏えいは、
- 製造、取扱および運転履歴に異常は認められなかったこと。
- 漏えいが認められた燃料棒以外に隙間等は認められなかったこと。
- 他の燃料集合体に対する追加調査結果において、漏えいが認められた燃料集合体と同様の異常は認められず、使用履歴等においても漏えいにつながるような要因は認められなかったこと。
などから、燃料集合体の設計または製造に共通する要因によるものではなく、第1支持格子内における燃料棒と支持板またはばね板の接触面で、当該燃料固有の何らかの要因により燃料棒の微小な振動による燃料被覆管の摩耗が進展し、燃料棒に微小孔が生じたものと推定。
対策
- 漏えいが認められた燃料集合体は再使用しない。
また、漏えいが認められた燃料集合体と同一時期に製造された燃料集合体については、念のため使用を見合わせる。 - 燃料からの漏えいの有無は1次冷却材中のよう素濃度を監視することによって検知することが可能であることから、今後とも、よう素濃度が原子炉施設保安規定に定める運転上の制限を十分下回っていることを、監視していくこととする。
- 他プラントにおいて漏えいが発生したステップ2高燃焼度燃料に対して計画されている照射後試験(PIE)に当社も参画し、試験結果を踏まえて必要な対策を講じる等により、燃料の信頼性向上を図っていくこととする。