平成21年度(2009年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機蒸気発生器熱出力の変動による運転上の制限の逸脱

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通報連絡日時:2009年11月20日1時21分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

11月20日(金曜日)1時21分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 通常運転中の1号機において、本日0時19分、タービン蒸気加減弁の開動作により蒸気発生器熱出力が変動し、保安規定で定める運転上の制限を逸脱した。
  2. 発電機出力は599MWまで変動したが、現在は安定している。
  3. 今後、詳細調査を行う。
  4. 本事象による環境への放射能の影響はない。

11月20日(金曜日)15時45分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり第2報がありました。

  • 発電機出力が変動後、直ちに蒸気加減弁を手動で調整し、発電機出力(蒸気発生器熱出力)を下げ、安定運転に戻した。
  • 蒸気発生器熱出力は、0時23分(1662MW)から、制限値(1650MW)以下となる0時26分(1645MW)までの約3分間、保安規定で定める運転上の制限値を逸脱していた。
  • 蒸気発生器熱出力の最大値は1680MWだった。
  • その後、蒸気加減弁の動作確認を行い、動作に異常のないことを確認した。
  • 現在も安定に運転しており、引き続き状態を監視しながら運転を継続し、詳細を調査する。
  • 本事象による環境への放射能の影響はない。

県では、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

運転員が操作をしていない状態で、タービン蒸気加減弁第3弁及び第4弁が開方向に変動し、発電機出力が上昇した。
発電機出力の上昇に伴い、蒸気発生器熱出力にも上昇傾向が見られたため、加減弁開度を手動で調整したが、蒸気発生器熱出力が保安規定で定める運転上の制限を、3分間、逸脱した。

調査の結果、負荷制限器油圧の上昇により加減弁開度が変動しており、当該負荷制限器油圧の上昇は、タービン油圧制御系統を循環するクノーフィルターでは捕捉できないような微細な油カス等がオートストップ油系統のマルティプルオリフィス内などに堆積し、それが運転中に剥がれて負荷制限器へ流れ、カップ弁及びピストン部への噛み込みにより、負荷制限器油圧が上昇したものと推定。

本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

対策

  1. 負荷制限器へ給油するオートストップ油系統のマルティプルオリフィス等の分解点検を行い、内部付着物の点検清掃を行った。
  2. 次回定検まで、試験的に静電浄油装置を使用し、クノーフィルターでは除去できない0.1μm程度までの微細な油カス等の除去を行い、タービン油系統の清浄度を向上させる。

また、次回定検時に、マルティプルオリフィスの分解点検及びオートストップ油圧リリーフ弁、エアーパイトッロ弁、負荷制限器の取り外しによりオートストップ油系統を点検し、内部付着物等の確認を行って、静電浄油装置の効果を評価し、今後の静電浄油装置の使用について検討するとともに、適切な機器の点検頻度を設定する。

県の公表

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