- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機セメント固化装置廃棄物処理室空調装置の異常
- 通報連絡日時:2009年12月9日1時48分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
通常運転中の3号機において、セメント固化装置廃棄物処理室チラーユニット(空調装置の一部)の停止を示す警報が発信したので、保修員が現地確認したところ、チラーユニットの冷水系統に異常があることを確認した。
調査の結果、チラーユニットの凝縮器に通水している冷却水の出口弁内部に付着物があることを確認し、この付着物により、出口弁内部の流路面積が減少し、冷却水の流量が低下したことで、冷媒ガスが十分凝縮されなくなり、凝縮器内の圧力が上昇し、チラーユニットが停止したものと推定。
冷却水出口弁内部の手入れ等を行い、チラーユニットを運転して異常のないことを確認し、復旧した。
プラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
空調装置チラーユニットの冷却水入口弁、出口弁の分解点検を実施した結果、出口弁の弁体・弁座シート面およびその周辺に黒色のスケール(鉄錆)が認められた。
当該チラーユニットが停止した原因は、原子炉補機冷却水系統に溶け込んでいるスケールが冷却水出口弁のシート部に長期に渡り徐々に付着したことにより、冷却水流量が低下し、その結果、冷媒ガスが十分に凝縮されなくなったことから、冷媒ガスを凝縮している凝縮器内の冷媒ガス圧力が安全装置の作動圧力まで上昇して、チラーユニットの停止に至ったものと推定。
また、冷媒ガスの凝縮状況を示す吐出圧力計には通常圧力範囲が表示されていなかったことから、監視が容易ではなかったものと推定。
対策
- 冷却水出口弁および凝縮器に付着したスケールを取り除き、冷却水流量を通常運転流量に調整した。
- 冷媒ガス吐出圧力計に通常圧力範囲を示すマーキングを取り付け、パトロール時に圧力を監視する。
- 冷媒ガス圧力が通常運転圧力を外れた場合は、冷却水出口弁の開・閉操作を行い、冷媒ガス圧力を調整する。冷媒ガス圧力が調整できない場合は、同弁の点検および凝縮器の洗浄を実施する。
これらの運用については、連絡書を作成し、関係箇所に周知する。