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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機低圧タービンの内部部品の固定ボルト廻り止めピンの欠損
- 通報連絡日時:2010年1月13日13時30分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
定期検査中の3号機において、低圧タービンの開放点検を実施していたところ、入口蒸気の流れを分配する部品を固定するボルトの廻り止めピンが欠損していることを保修員が確認した。
当該割りピンは、低圧タービン1基あたり2つあり、第1低圧タービンは2本とも欠損、第2低圧タービンは2本のうち1本が欠損していた。
その後、第1低圧タービンの2本は摩耗減肉分以外はすべて回収、第2低圧タービンの1本は約7割回収した。
未回収部分はタービン羽根等との接触により細分化され、定期検査時等の系統水の排水によって系統外に排出されたものと考えているが、万一、未回収部分が系統内に留まっていたとしても、タービンの下流機器への影響がないことを確認している。
第1、第2低圧タービン羽根等については、外観目視点検及び割りピンとの接触跡の浸透探傷検査を実施し、異常のないことを確認した。
当該部の廻り止めについては、取り付け時のガタ等による摩耗、折損を防止するため、割りピンからテーパ形状のピンに変更した。
環境への放射能の影響はなかった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
前回定期検査時の割りピン取り付け作業において、割りピンの取り付けが不十分であったことから、割りピンの長手方向のガタが通常よりも大きい状態となった。このため、運転中の蒸気流による流体振動等の影響により、割りピンが長手方向および周方向に微少振動するとともに、ナットが回転方向にも微少振動することにより、ナットの割りピン挿入穴端部とボルト・ナット境界部のピン穴との摺動により割りピンが摩耗減肉して、割りピンの損傷に至ったものと推定。
対策
- 未回収の割りピン欠損品の状態については、回収品の状況から、回収できなかった欠損品(総重量3g程度)は、0.1g以下の微細な粒状または粉状の状態になっていると考えられ、そのほとんどは定期検査時の系統水のブロー等によって、系統外に排出されたと考えられる。
このため、欠損品は下流機器に影響を与えることはないものと考えられるが、欠損品が流れていく経路にあり、狭い隙間のある回転機器(復水ポンプ等)及び静的機器のうち比較的薄肉である熱交換器(復水器等)の伝熱管について、振動調査や衝突解析等により、異常のないことを確認した。 - 割りピンによる廻り止めから、取り付け方によるガタが生じることのないテーパーピン(ナット付)による廻り止めに変更した。
なお、テーパーピンの抜け止めとして、テーパーピンにナットを取り付けて溶接を行った。 - 念のため、毎定期検査時にテーパーピンにゆるみ等の異常のないことを確認する。