平成21年度(2009年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機の制御棒位置指示装置の異常

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通報連絡日時:2010年2月5日12時10分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

2月5日(金曜日)12時10分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 通常運転中の伊方2号機中央制御室において、本日11時22分、制御棒制御バンクAの位置指示装置が通常225ステップを示すところ、220ステップに低下していることを運転員が確認した。
  2. 当該事象は、原子炉施設保安規定第24条に定める運転上の制限を満足していないことから、11時44分に運転上の制限逸脱を判断した。
  3. 今後、詳細調査を行う。
  4. 本事象による環境への放射能の影響はない。

その後、四国電力株式会社から、次のとおり、連絡がありました。

  • 制御棒の引抜き、挿入の操作は行っていない。
  • 原子炉出力等主要パラメータは変化していない。
  • 制御棒制御バンクAの制御棒8本のうち、1本の位置(L-8)の指示値が低下していた。
  • 位置指示装置の信号処理カードを調査した結果、入力電圧は正常であるものの、出力電圧が低下していることを確認したため、当該カードを新品に交換する。
  • 今後、炉内核計装装置により制御棒位置を確認する。

復旧状況等

2月8日(月曜日)17時05分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 当該制御棒位置指示装置について調査した結果、信号検出回路カードの出力電圧が低下していることを確認した。調査の途中において、制御棒の位置指示の低下は自然に収まり、低下前の指示に戻ったが、同カードの取替を実施した。
  2. なお、当該装置への制御棒の位置を示す入力電圧が前回測定値から変わりがないこと、制御棒駆動機構上1本のみ動作することは考えられないこと、及び原子炉の出力分布測定結果にも異常が認められないことから、制御棒は実際に動作していないものと判断した。
  3. その後、制御棒を実際に動作させる試験を実施し、当該の制御棒位置指示が正常に表示することを確認できたことから、運転上の制限の逸脱から復帰した。
  4. 念のため、当該装置の表示について本日まで監視を強化していたが、異常が見られなかったことから、通常状態に復旧した。
  5. 本事象によるプラント運転への影響及び外部への放射能の影響はない。

県では、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認している。

また、原子力安全・保安院に確認したところ、本事象については、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断である。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

中央制御室にある制御棒位置指示装置で制御棒を操作していないのに制御棒バンクAの1本の指示に低下が確認された。

調査の結果、原子炉熱出力、出力領域中性子束、一次冷却材平均温度及び発電機出力の各パラメータに有意な変動が見られないことから、実際には制御棒は動作していないことが確認された。

制御棒位置指示装置内で指示の変動につながる部位を抽出し、検出器電源、検出器、ケーブル等の各部位ごとに原因調査を実施した結果、信号検出回路カードに出力電圧の一時的な低下が確認され、過去にも同種の故障を経験していることから、今回の原因は、信号検出回路カードの一時的な不具合により出力電圧が低下し、制御棒位置の指示が一時的に低下したものと推定。

対策

  1. 当該信号検出回路カードを予備品と取り替えた。
  2. 運転監視により制御棒位置の指示及びステップカウンタ表示(制御棒動作指令値)を1時間に1回監視・記録していることから早期の発見が可能であり、速やかに対応できるように、今後とも信号検出回路カードを予備品として常備する。
  3. 次回第22回定検(平成22年8月頃)において、過去に不具合のあった部位などの機械的な動作部品がなく信頼性の高い信号検出回路カードに全数取り替える。

県の公表

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