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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方3号機充てんポンプのミニマムフロー弁の異常
- 通報連絡日時:2010年3月15日10時00分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月15日(月曜日)10時00分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 調整運転中の伊方3号機において、充てんポンプ3Aの検査準備として、運転員がミニマムフロー弁(手動弁)を全閉しようとしたところ、閉操作の途中で当該弁の動きが重くなった。
- このため、保修員が当該弁を確認し、本日9時30分に当該弁を点検することとした。
- 今後、詳細を調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 今後、当該弁については、隔離して点検を実施する。
- 当該弁は、運転中は常時開であり、ポンプの性能検査時のみ閉にするものであり、充てんポンプ3Aの機能に問題はない。
- 通常、充てんポンプは、3台のうち2台を運転しており、現在、3B及び3Cが運転中。なお、充てんポンプは1台で必要な能力を有しており、運転への影響はない。
- 当該弁の事象確認は3月12日16時30分であり、潤滑剤の塗布等により保修可能であると判断していたが、3月15日9時30分の所内会議において、今後のプラント運転に万全を期すため、分解点検を実施した方が良いと判断したもの。
復旧状況等
3月17日(水曜日)17時00分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該弁の点検の結果、弁棒表面のグランド押さえ輪と接触する面及びグランド押さえ輪内面に傷が確認された。それ以外の異常は確認されなかった。
- 傷は弁の開閉操作に伴う摺動により生じ、これにより弁が重くなったと推定。
- 傷の認められた弁棒、グランド押さえ輪については、磨き等の手入れにより、再使用可能であるが、念のため、新品に取り換えた。
- その後、当該弁の開閉操作に問題のないこと等を確認し、通常状態に復旧した。
- 今後、摺動が生じた原因等について、詳細を調査する。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
県では、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認している。
また、本事象について、原子力安全・保安院に確認したところ、法律に基づく報告対象には該当しないとの判断であった。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
充てんポンプの機能検査準備のため、当該ポンプのミニマムフローライン弁を閉止しようとしたところ、操作の途中で当該弁の動きが重くなった。
当該弁の分解点検の結果、弁棒表面及びグランド押さえ輪内面にらせん状の傷が確認された。
これらの傷は、グランドパッキンを取り替えた際、グランドボルト締め付け作業時にグランド押さえ輪が傾いた状態で復旧したため、弁棒とグランド押さえ輪が接触し、その後の開閉操作に伴い弁棒表面とグランド押さえ輪内面が摺動して傷が生じたと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 当該弁の弁棒及びグランド押さえ輪を新品に取り替えた。
- 当該弁を含む同型弁のグランドパッキンを締め付ける際には、弁棒とグランド押さえ輪が接触していないことを目視または隙間ゲージで確認するよう、作業要領書に記載する。
- 1号機の同型弁については、第27回定検中に、弁棒とグランド押さえ輪が接触していないことを目視または隙間ゲージで確認する。
2,3号機の同型弁については、次回定検時に同様の確認を行う。