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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成21年度(2009年度)
- 伊方1号機使用済燃料ピットの手すり固定ボルトの落下防止用金具の折損
- 通報連絡日時:2010年3月29日20時50分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月29日(月曜日)20時50分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 通常運転中の伊方1号機において、使用済燃料ピットの周囲に設置している手すり(脱着可能型)を固定しているボルトの落下防止用金具の一部が折損していることを保修員が発見した。
- その後、周辺作業場所及び使用済燃料ピット内の目視確認を実施したが、折損部分を発見することはできなかった。
- 折損部分が使用済燃料ピット内に落下している可能性もあることから、今後、詳細調査する。
- 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
その後、四国電力株式会社から、次のとおり連絡がありました。
- 3月30日(火曜日)午後から、使用済燃料ピット内を水中カメラで調査する。
- 折損部分が使用済燃料ピット内に落ちていても、使用済燃料の貯蔵の安全性に影響することはない。
- 脱着可能な手すりの落下防止用金具は、当該箇所の他に3箇所あり、目視にて健全であることを確認した。
調査結果等
4月1日(木曜日)14時40分、四国電力株式会社から、調査結果等について、次のとおり連絡がありました。
- 使用済燃料ピット内をカメラで調査した結果、落下防止金具を設置している手すりの下部の使用済燃料ピットと燃料検査ピットの連絡部底面において、折損部分と思われる部品を1個発見し回収した。
- 手すり固定柱の根元床面において、落下防止金具の欠片と思われる部品を2個発見し回収した。
- これらの回収部品が落下防止金具の欠損部と一致したことから、欠損部が全て回収されたと判断し、今後は、折損が生じた原因等について、調査する。
- 本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
県では、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、現場の状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
作業のために取り外していた使用済燃料ピットの手すりを元の位置に取り付けようとしたところ、手すり固定用ボルト落下防止金具の一部が欠損していることを確認した。
ピット内のカメラ調査等の結果、ピットの連絡部底面において欠損部分を1個、また、手すり固定柱の根元床面において2個回収し、すべての欠損部分を回収した。
模擬試験体を用いた再現試験の結果から、チェッカープレートの移動中に保修員の保持が十分でなく、チェッカープレートが水平に揺れ落下防止金具に接触し、欠損したと推定。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。
※チェッカープレート
表面に滑り止め用などの模様を付けた鋼板でできた床板
対策
- 手すりは現状においても固定柱に深く差し込まれており、手すりが意図せず外れることは考えられないため、固定用ボルトは使用しないことし、これに伴い、落下防止金具も使用しないこととする。
- チェッカープレートは約100kgと重量があり、開口部を通過する際、保持が不十分になる可能性がある。このため、チェッカープレートを2分割タイプに改良することで重量及び大きさを半分にし、作業性を向上させる。
- 作業要領書にチェッカープレートの移動時には、揺れが生じないよう慎重に作業する、周囲と接触しないよう監視を強化する旨明記する。