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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方1号機非常用ディーゼル発電機の海水配管からの海水漏れ
- 通報連絡日時:2010年4月27日12時25分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:あり 備考:今回発表
異常の内容
4月27日(火曜日)12時25分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 4月27日(火曜日)11時45分、通常運転中の伊方1号機で、非常用ディーゼル発電機1Bの入口海水配管に海水のにじみがあることを、保修員が確認した。
- 今後、詳細調査を行う。
四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 海水配管に微小な穴が開いており、海水が漏えいしている。
- 当該部が技術基準を満足していないことから、14時00分、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第19条の17に基づき、国への報告対象事象となると判断した。
- にじみによる漏えいは約40秒に1滴(0.1cc程度)であり、これまでの漏えい量は最大で約120ccである。
- 今後、系統を隔離し、保修して復旧する予定。
- 引き続き、原因を調査する。
- 非常用ディーゼル発電機は1号機に2基設置され、1基の動作が不能として、17時44分、運転上の制限からの逸脱を宣言した。
応急処置等
4月28日(水曜日)18時15分、四国電力株式会社から、応急処置等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該配管のにじみの確認された箇所に接着材による応急処置を行い、4月28日(水曜日)18時00分、海水のにじみがないことを確認した。
- これまでの漏えい量は最大で約200ccである。
- 応急処置のため、非常用ディーゼル発電機1Bを待機除外とした以降、原子炉施設の保安規定に定める運転上の制限から逸脱した状態となっているが、保安規定に基づき要求される非常用ディーゼル発電機1Aの動作可能状況を確認済みである。
- 今後、準備が整い次第、当該配管の取り替えを行うとともに取り外した配管の詳細な調査を行う。
復旧状況等
5月3日(月曜日)9時00分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該配管の取り替えを行い、非常用ディーゼル発電機1Bを運転して異常のないことを確認したことから、原子炉施設の保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰した。
- その後、配管からの漏えいの有無を継続監視していたが、5月3日(月曜日)8時50分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
- 今後、取り外した配管の詳細な調査等による原因究明及び再発防止対策を行う。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
当該配管の保守点検作業時、ライニング施工時から配管内面のポリエチレンライニングの表面近傍に存在していた気泡の直上部に、作業用工具の接触による衝撃荷重が加わったことにより初期き裂が発生した。
その後、ポリエチレンライニング施工時の残留応力によりき裂が進展し、炭素鋼管内面に達したため、き裂部から浸入した海水により炭素鋼管の内面から外面に向かって腐食が進行し、炭素鋼管の貫通に至ったものと推定。
対策
- 漏えいのあった配管を新品に取り替えた。
- 1号機の原子炉補機冷却海水設備配管等の全数について調査した結果、ライニングにき裂が認められた6箇所のポリエチレンライニング管及び2箇所の厚膜形エポキシ樹脂塗装管については、再ライニング、ライニング補修又は新品への取替えを行った。
- 直接目視確認できない配管については次のとおり変更する。
- ア点検頻度
点検頻度を増やし知見の拡充を図ることとし、これまでの12定検に1回以上から6定検に1回以上に変更する。
流速の急激な変化の可能性がある範囲に設置されている配管を抽出するとともに、点検頻度を12定検に1回以上から、2定検に1回に変更する。 - イ点検方法
フランジ開放部からの目視点検に加え、ファイバースコープ、CCDカメラ、遠隔点検ロボットによる点検を実施する。
- ア点検頻度
- 保守点検作業時、除貝作業等でやむを得ず工具を使用する場合は、ライニング表面に衝撃荷重を与えないよう作業上の注意事項を作業要領書に反映するとともに、関係者に周知徹底を図る。
- 今後、ライニングの点検結果について、点検対象、点検の着眼点及び結果を明確化した点検記録を作成するよう作業要領書に反映する。