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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方2号機ほう酸濃縮液ポンプ(1,2号機共用)のドレン配管接続部からの水漏れ
- 通報連絡日時:2010年5月5日1時30分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
5月5日(水曜日)1時30分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 通常運転中の伊方2号機で、原子炉補助建屋4階ほう酸濃縮液タンク室(1,2号機共用)内において、液体が漏えい(10cm×1.5m程度)していることを運転員が発見し、5月5日(水曜日)1時00分、放射線管理員が放射性物質(微量)を含んだ液体であることを確認した。
- 今後、詳細調査を行う。
- 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
5月6日(木曜日)13時15分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 5月5日(水曜日)2時58分、停止中のほう酸濃縮液ポンプを隔離し、漏えいは停止した。
- 漏えい量は約1ℓ(放射能量約61ベクレル)で、全量紙ウエスで回収した。
- 調査の結果、ほう酸濃縮液ポンプに接続しているドレン配管のフランジ部からの漏えいと確認した。
- 原子炉停止に必要なほう酸水は、必要水量がほう酸タンクに貯蔵されており、プラント運転への影響はない。
- 今後、当該部の詳細な点検を実施する。
- 本事象による作業員の被ばく及び環境への放射能の影響はない。
県としては、1月10日に伊方3号機で同様の事象が発生していることから、四国電力に対し、当時の同型機器の点検方法の適切性も含め、原因等を詳細に調査するよう指導しました。
復旧状況等
5月12日(水曜日)16時30分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該部の点検の結果、ドレン配管フランジ部のボルトの締め付け状態は良好であり、フランジ面にも異常はなかったが、フランジ部をシールするためのガスケットに、厚みの減少が見られたことから、当該ガスケットを取り替えた。
- その後、ほう酸濃縮液ポンプの確認運転を行い、本日16時20分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧した。
- 今後、詳細を調査する。
- 本事象による作業員の被ばく及び環境への放射能による影響はない。
県としては、八幡浜保健所の職員を伊方発電所に派遣し、復旧状況等を確認しております。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
ほう酸濃縮液タンク室内において、少量の液体が漏えい(約1リットル)しているのを運転員が発見し、微量の放射性物質(約61ベクレル)を含んだ液体であることを確認した。
調査の結果、ほう酸濃縮液ポンプに接続しているドレン配管のフランジ部からの漏えいを確認した。
本事象は、ほう酸水による弱酸環境及びヒートトレースによる高温環境との組合せにより、フランジ部のアスベスト製ガスケットのゴムバインダーの劣化が促進され、復元力が低下したことから、シート機能が失われ漏えいに至ったものと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 当該フランジのガスケットを耐薬品性に優れたノンアスベストガスケットに取り替えし、漏えいのないことを確認した。
- 当該ポンプと同型のポンプのうち、使用環境(内包流体、温度)が等しいポンプは、3号機ほう酸濃縮液ポンプ1台のみで、ノンアスベストガスケットに取り替え済みである。
- 当該ポンプと同型のポンプのうち、使用温度が常温であるが、内包流体がほう酸水であるポンプ4台は、念のため、次回定検時にノンアスベストガスケットに取り替える。