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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方1,2号機復水脱塩装置の排水配管からの水漏れ
- 通報連絡日時:2010年6月2日19時50分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
1,2号機・復水脱塩装置の排水配管より漏えい(放射能を含まない水)が確認された。
復水脱塩装置の「コンデミ中和槽排水ポンプ」を停止し、漏えいは停止した。
事象発生時は、1,2号機・復水脱塩装置排水系統に設置された弁の取り替え作業中であり、弁は配管に仮取り付けされた状態(取り付けボルトが緩んだ状態)であった。
この作業時に2号機の中和槽排水ポンプが隔離されていなかったため、ポンプが自動運転した際に、仮取り付けされた弁と配管のすきまから、復水脱塩装置の排水が最大で約10m3漏えいした。
漏えいした排水の敷地外への流出はなく、周辺環境への影響はない。
その後、仮取り付けしていた弁を正規の状態(取り付けボルトが締まっている状態)に復旧し、当該弁からの漏えいがないことを確認し、通常状態に復帰した。
今後、詳細調査をする。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
1,2号機復水脱塩装置の排水配管より漏えい(放射能を含まない水)が確認された。
調査の結果、沈殿池受入弁は取替作業中で仮取り付けされた状態であり、2号機復水脱塩装置排水ラインが隔離されていなかったため、ポンプが自動運転した際に、当該弁のフランジ部から、復水脱塩装置の排水が最大で約10m3漏えいした。
漏えいした排水の敷地外への流出はなく、周辺環境への影響はなかった。
本事象は、当該弁の点検前に1号機及び2号機の復水脱塩装置中和槽排水ポンプ出口弁を隔離する必要があるが、1号機の弁の隔離を委託していた関係会社の委託運転員が、2号機の弁も委託されていると思い込んでいたが、1号機の隔離作業しか実施せず、また、四国電力の担当者も2号機の弁の隔離作業があることを確認していなかったため、不十分な隔離で委託運転員から作業許可が出されたため、取替作業で当該弁のフランジ部が緩められていたところに、2号機復水脱塩装置中和槽からの排水が移送され、漏えいしたと推定。
本事象によるプラントへの影響及び環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 委託先に対して、隔離・復旧委託範囲外の点検弁の隔離・復旧操作は、四国電力の所掌であることを周知徹底し、定検前に隔離操作上の基本ルールについて「隔離操作等実施細則」等により再教育を行う。
- 定期検査前に委託先に対して、運転員が点検機器の隔離を検討する際は関連する系統がすべて表示されている系統図を用いて点検機器と隔離範囲を色塗りするなどにより隔離範囲を確実に検討するよう指導すること、および管理者が作業を許可する際は確実に隔離が行われていることを色塗り系統図により確認したうえで許可することを周知徹底する。
- 定期検査前に四国電力(系統管理担当)は、保修員より申請された、隔離委託範囲外のすべての点検機器について、定検開始前に隔離内容を確認する。
- 今回の事象についてワンポイントレッスン資料を作成し、1,2号機復水脱塩装置排水配管は1,2号共通配管であり隔離・復旧の検討に際しては特に注意が必要であることを隔離業務担当箇所に周知徹底する。