平成22年度(2010年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方1号機原子炉補機冷却水冷却器の海水配管からの海水漏れ

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通報連絡日時:2010年6月11日8時27分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:あり 備考:今回発表

異常の内容

6月11日(金曜日)8時27分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 6月11日(金曜日)7時45分、定期検査中の伊方1号機で、海水を通水(運転)しているA系統の配管より海水が漏えいしていることから、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則第19条の17に基づき国への報告事象に該当することを確認した。
  2. 今後、詳細調査を行う。
  3. 本事象による環境への放射能の影響はない。

四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 漏えい箇所は、原子炉補機冷却水冷却器へ海水を通水する配管である。
  2. これまでの漏えい量は、約80ℓである。
  3. 現在、漏えい箇所は隔離している。
  4. 原子炉補機冷却水冷却器はA,B,C,D系統の4基あり、C,D系統の2基は点検のため停止しており、A系統は隔離したが、残りのB系統の1基で必要な冷却能力は確保されている。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

当該配管の上流のバタフライ弁で海水の流れが絞られた際、当該弁下流で流速の急激な変化により、当該配管内面のゴムライニングに局所的な減肉・剥離が発生した結果、炭素鋼管が配管内の海水により腐食して貫通に至ったものと推定。

当該配管は、流速の急激な変化によるライニングの局所的な減肉・剥離などの特別な損傷モードが考えられる部位として着目した点検頻度が設定されていなかったことが、異常の兆候を早期に発見できなかった原因となったものと推定。

対策

  1. 漏えいのあった配管を新品に取り替えた。
  2. 1号機の原子炉補機冷却海水設備配管等の全数について調査した結果、ライニングにき裂が認められた6箇所のポリエチレンライニング管及び2箇所の厚膜形エポキシ樹脂塗装管については、再ライニング、ライニング補修又は新品への取替えを行った。
  3. 直接目視確認できない配管については次のとおり変更する。
    • ア点検頻度
      点検頻度を増やし知見の拡充を図ることとし、これまでの12定検に1回以上から6定検に1回以上に変更する。
      流速の急激な変化の可能性がある範囲に設置されている配管を抽出するとともに、点検頻度を12定検に1回以上から、2定検に1回に変更する。
    • イ点検方法
      フランジ開放部からの目視点検に加え、ファイバースコープ、CCDカメラ、遠隔点検ロボットによる点検を実施する。
  4. 保守点検作業時、除貝作業等でやむを得ず工具を使用する場合は、ライニング表面に衝撃荷重を与えないよう作業上の注意事項を作業要領書に反映するとともに、関係者に周知徹底を図る。
  5. 今後、ライニングの点検結果について、点検対象、点検の着眼点及び結果を明確化した点検記録を作成するよう作業要領書に反映する。

県の公表

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