平成22年度(2010年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機燃料移送装置の変形

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通報連絡日時:2010年7月17日10時15分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

7月17日(土曜日)10時15分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 7月17日(土曜日)9時30分、通常運転中の伊方2号機で、燃料移送装置を点検していたところ、リフティングフレームの立て起し操作中に燃料コンテナ(燃料の入っていない状態)との接触を確認した。
  2. このため燃料コンテナを点検した結果、変形を確認した。
  3. 今後、詳細調査を行う。
  4. 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 今回の事象は、通常操作では、リフティングフレームで横倒しになっている燃料コンテナをつかんで直立させる操作のところ、修繕作業(燃料コンテナのピボット軸受ブッシュ取替え)のため、7月16日(金曜日)、リフティングフレームのみを直立させようとし、リフティングフレームと燃料コンテナが接触した。
  2. その後、7月17日(土曜日)、リフティングフレーム及び燃料コンテナの接触部の目視点検及び寸法計測を実施し、保修員が燃料コンテナの変形を確認した。

今回、当該接触の事象確認後、点検の実施及び県への連絡を翌日に実施していることから、迅速に異常事象を確認のうえ通報連絡を行うよう、四国電力に対して、厳重口頭注意しました。

復旧状況等

8月6日(金曜日)15時55分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後の調査を行い、変形があった燃料コンテナについては、油圧ジャッキ等により変形部分の修正を行った。このほか、コンベアカー(燃料コンテナを載せる台車)やリフティングフレームの軸受構成部品の一部などにも接触による変形が確認されたため、修正や部品の取り替えを行った。
  2. その後、模擬燃料を使用して燃料移送装置の動作確認を行い、異常のないことを確認し、8月6日(金曜日)15時50分、通常状態に復旧した。
  3. 今後、詳細調査を行う。
  4. 本事象によるプラント運転への影響及び環境への放射能の影響はない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

通常運転中の伊方2号機において、燃料移送装置の部品取替作業のため、リフティングフレームを操作中にリフティングフレーム下端と燃料コンテナが接触した。

調査の結果、当該コンテナのほか、コンベアカー、リフティングフレームの軸受構成部品の一部などにも接触による変形が確認された。

当該作業については、請負会社における作業要領書作成時には、作業責任者が作成後、上位職がチェックする体制となっていたが、要領書の作成・審査時に使用している作業要領書作成手引きに、リフティングフレームと燃料コンテナの干渉確認に係る具体的な記載がなく、干渉確認が不十分であったこと、また、四国電力の作業要領書の承認においては、装置の動作確認や機能の健全性を主に確認しており、干渉について確認していなかったことから、十分な干渉確認がなされないまま作業要領書が作成され、その要領書に基づき作業が実施されたため、リフティングフレームの下端と燃料コンテナが接触したものと推定。

本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。

対策

    1. 作業要領書について、干渉しないように、「リフティングフレームを水平にして取り外し、オペレーションフロアに仮置きする」要領に変更する。
    2. 燃料コンテナ等の変形は、変形部分を元の形状に復元する。
    3. リフティングフレームの軸受構成部品は、新品に取替えを実施した。
    4. 念のため燃料コンテナを新品のものと取替えた。
  1. メーカにおいては、燃料コンテナの軸受構成部品取替えにあたっては、燃料コンテナとリフティングフレームを分解して実施することを標準工法とする等の再発防止を図ることとしており、四国電力はこの実施状況を確認する。
  2. 「伊方発電所作業要領書作成手引き」に、「装置の分解点検等に伴い、インターロックを除外して行う操作がある場合は、事前に装置相互の干渉が生じないことを確認する」旨注意事項の記載を追記し、四国電力の承認においても確認を行う。また、「作業要領書作成チェックシート」に、チェック項目を追記する。
  3. 伊方1,2号機の燃料移送装置においては、燃料コンテナが所定位置でない状態で、リフティングフレームの立て起こし操作を行うと、リフティングフレームの下端が燃料コンテナと干渉する構造であることを、新たに作成したワンポイントレッスンにより関係者に周知した。

県の公表

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