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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方3号機抽気逆止弁動作試験における異常
- 通報連絡日時:2010年10月20日13時50分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
通常運転中の伊方3号機において、抽気逆止弁の動作試験をしていたところ、保修員が第3抽気逆止弁3Aが閉動作しないことを確認した。
調査の結果、抽気逆止弁の動作試験等で使用する抽気逆止弁駆動用電磁弁の不具合により、当該電磁弁の操作では第3抽気逆止弁が閉動作しないことが判明したため、当該電磁弁を新品に取り替えて、正常に動作することを確認し、通常状態に復旧した。
第3抽気逆止弁自体に異常はなく、蒸気の逆流があった場合に蒸気の圧力により逆止弁が閉止するという本来の機能は確保されていたことから、復旧までの間もプラント運転への影響はない。
今後、詳細を調査する。
本事象による環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
通常運転中の伊方3号機において、抽気逆止弁の動作試験中に、保修員が第3抽気逆止弁3Aが閉動作しないことを確認した。
調査の結果、抽気逆止弁の動作試験等で使用する抽気逆止弁動作用電磁弁の不具合により、閉動作しないことを確認した。
電磁弁については、平成17年に発生した同様の不具合の対策として釈放電圧20V以上の電磁弁を導入し、今後の取り替えにおいても対策品に取り替えるように計器台帳に対策品を記載していた。
その後、平成18年の保守システムデータ整備時に、調達物品の型式を記入する欄のほか、特殊仕様を記載できる欄が2か所あるにもかかわらず、担当者が型式記入欄に特殊仕様内容を含めすべて記載すべきものと思い込み作業を行ったため、文字数制限により特殊仕様内容「釈放電圧20V以上」が記載できず、また、型式の符号「X」で「釈放電圧20V以上」が指定できると思い込んでいたことから、保守システムに「釈放電圧20V以上」が記載されなかった。
このため、電磁弁交換時に「釈放電圧20V以上」である仕様が調達要求されず、また、受入時の工場試験の記録確認もされなかったことから、そのまま、未対策品が取り付けられ、その結果、コイル温度上昇に伴い釈放電圧が低下したことにより、当該電磁弁が動作しなかったものと推定。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 当該電磁弁及び同型式の電磁弁について、「釈放電圧20V以上」が確認されている電磁弁に取替えた。
- 当該電磁弁及び同型式の電磁弁について、「釈放電圧20V以上」であることを保守システムデータに追記するとともに、今後は調達時に受入試験を実施し、釈放電圧20V以上を確認するようマニュアルを改訂した。
- 当該電磁弁メーカーの全ての電磁弁について、保守システムデータに特殊仕様を示す型式符号「X」を記載しているものについては、特殊仕様の内容が全て記載されていることを確認し、記載が不十分なものについては追記した。また、記載が不十分であった電磁弁のうち、保守システムデータ整備以降に調達した電磁弁については本来要求すべき性能を有していることを確認した。
- 保守システムデータ整備時に、入力文字数制限により入力文字を減らした機器について、必要な情報が削除されていないか確認し、記載が不十分なものについては追記した。また、記載が不十分であった機器のうち、保守システムデータ整備以降に調達した機器が本来要求すべき性能を有していることを確認した。
- 保守システムの入力箇所3箇所全てに仕様等のデータ入力が可能であることを操作マニュアルに追記した。
- 部品取替え時の新旧照合を確実に実施するよう取替部品チェックシートの見直しを実施した。