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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方3号機高圧給水加熱器水位伝送器の異常
- 通報連絡日時:2010年12月12日16時00分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
通常運転中の伊方3号機において、第6高圧ヒータ(高圧給水加熱器)3A出口ドレン流量の異常を示す信号が発信した。また、タービン制御系計器ラック入出力故障信号も発信した。
調査の結果、第6高圧ヒータ3Aの水位信号を検出する水位伝送器の不具合により水位制御弁が開動作してドレン流量が増加したため、ドレン流量の異常信号及び計器ラック入出力故障信号が発信したことを確認した。
このため、水位制御系をバックアップ系統に切り替えて、当該伝送器を予備品に取り替えを行い、常用系統に戻したうえで、水位制御が正常に機能することを確認し、通常状態に復旧した。
なお、バックアップ系統はドレン水の戻り先が常用系統と異なるため、切替中、電気出力が約10MW低下したが、プラント設備等への影響はない。
今後、詳細を調査する。
本事象による環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
通常運転中の伊方3号機において、高圧給水加熱器3A出口ドレン流量の異常を示す信号が発信し、ドレン流量が増加していることを確認した。
調査の結果、高圧給水加熱器3Aの水位を検出する水位伝送器の不具合により、水位制御弁が開動作してドレン流量が増加したため、ドレン流量の異常信号が発信したことを確認した。
本事象は、当該水位伝送器のダイヤフラムシール部に使用されているOリングが高温環境下における長年の使用で劣化が進み変形したため、蒸気がチャンバー側からボディ内部に侵入して、鉄製のボディが腐食し、腐食生成物がフォースバーとボディの間に付着したことで、水面の動きを伝えるフォースバーの微小な動きが阻害され、水位信号が実際の水位より高めとなって、ドレン流量が増加し、異常信号が発信したと推定。
本事象において、ドレン水の戻り先が常用系統と異なるため、当該水位伝送器の取替えに伴うバックアップ系統への切替中に、電気出力が約10MW低下したが、プラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 当該水位検出器を予備品と取り替えた。
- 高温環境下での長年の使用によるOリングの劣化が起因していることから、当該水位伝送器について、今後、10定検毎にOリングを取り替えることとした。
また、1,2号機を含む類似機器(当該水位伝送器と同様な設置条件、使用年数で浮力式水位検出機構のダイヤフラムシール部にOリングを有する水位伝送器)については、次回定検でダイヤフラムシール部の分解点検及びOリングの取替えを実施することとし、今後、8定検または10定検毎にOリングを取り替えることとした。 - 運転中の万一の故障に対応するため、今後とも水位伝送器の予備品を常備しておく。