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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成22年度(2010年度)
- 伊方3号機廃棄物処理建屋排気ファンの異常
- 通報連絡日時:2011年2月8日11時35分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
2月8日(火曜日)11時35分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 通常運転中の伊方3号機において、2月8日(火曜日)10時38分、廃棄物処理室排気ファン3Bの電源の異常を示す信号が発信した。
その後の状況等
2月8日(火曜日)15時25分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。
- 点検の結果、廃棄物処理建屋排気ファン3Bの遮断器(管理区域外)の一部に過熱による黒い変色を確認した。
- 黒い変色については、消防署が現地確認を実施し、火災ではないと判断している。
- なお、残りの排気ファン2台に異常はなく、1台で必要な能力を有していることから、廃棄物処理建屋の換気空調に影響はない。
その後の状況等
2月10日(木曜日)15時10分、四国電力株式会社から、その後の状況について、次のとおり連絡がありました。
- その後の調査の結果、遮断器の過熱損傷以外に、遮断器の制御回路内に設置している部品(サージキラー)に変色を確認した。
- そのため、不具合のあった遮断器と制御回路内の当該部品を予備品に取替え、確認運転のため、当該排気ファン3Bを起動し、排気ファン3Aを停止した。
- その際、排気ファン3Bは正常に起動したが、2月10日(木曜日)11時23分に排気ファン3Aの電源の異常を示す信号が発信したため、直ちに制御電源を「切」とした。
- 排気ファン3Aについて、現地を確認した結果、遮断器には異常は認められなかったが、遮断器の制御回路内に設置している部品(サージキラー)に変色を確認した。
- 排気ファン3A及び排気ファン3Cについて、当該部品(サージキラー)の取替えを実施する予定である。
- なお、現在は排気ファン2台(3B、3C)を運転しているため、廃棄物処理建屋の換気空調に影響はない。
復旧状況等
2月14日(月曜日)11時15分、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。
- その後、排気ファン3A及び排気ファン3Cについて、当該部品(サージキラー)の取替えを実施後、正常に運転することを確認し、2月14日(月曜日)11時05分、通常状態に復旧した。
- なお、本事象発生から復旧までの間、廃棄物処理建屋の換気空調に影響はなかった。
- 今後、詳細調査を実施する。
- 本事象によるプラント運転及び環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
通常運転中の伊方3号機において、点検のため廃棄物処理建屋排気ファン3Bの停止操作を行ったところ、排気ファン3Bの電源の異常を示す信号が発信した。
調査の結果、排気ファン3Bの遮断器内部の部品及び制御回路内に設置している部品(サージキラー)に変色を確認したため、不具合のあった遮断器と制御回路内の当該部品を予備品に取り替えた。
その後、健全性確認運転のため、排気ファン3Bを起動し、排気ファン3Aを停止した際、3Bは正常に起動したが、3Aの電源の異常を示す信号が発信し、3Aサージキラーにも変色が確認された。
本事象は、高電圧の逆起電力による長期間のストレスのためサージキラーの耐電圧が低下し、排気ファンを停止した時に遮断器の動作タイミングなどにより耐電圧を超える逆起電力が発生し、サージキラーが損傷・短絡したと推定。サージキラーの損傷・短絡により、トリップコイルに制御電源の電圧が印加され、通電時間がトリップコイルの定格時間を越えたため、トリップコイルが損傷したと推定。
本事象によるプラント運転への影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 排気ファン3Bについては、遮断器とサージキラーを、排気ファン3Aについては、サージキラーを新品に取り替えた。
また、念のため、排気ファン3Cの制御回路のサージキラーについても新品に取り替えた。 - 恒久的な対策として、排気ファン3A~Cの制御回路を変更し、サージキラーに代わって抵抗を設置した。これにより、補助リレーにかかる電圧が1/5に抑えられ、排気ファン停止時に補助リレーより発生する逆起電圧も低減される。
なお、1,2号機を含むその他の遮断器について、排気ファンと同様の制御回路を有していないことを確認した。