平成22年度(2010年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機原子炉トリップ遮断器取替えに係る運転上の制限の逸脱

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通報連絡日時:2011年2月14日17時05分
県の公表区分B

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

2月14日(月曜日)17時05分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 通常運転中の伊方3号機において、原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとした。
  2. 当該遮断器の開放動作時間の測定及び予備品への取替えに伴い、当該遮断器への原子炉トリップ信号をバイパスしたことから、2月14日(月曜日)16時58分、保安規定に定める運転上の制限から逸脱した。
  3. なお、当該作業中においても、残りの原子炉トリップ遮断器により原子炉を停止させる機能に問題はない。
  4. 今後詳細を調査する。
  5. 本事象によるプラント運転及び環境への放射能の影響はない。

復旧状況等

2月15日(火曜日)11時25分、四国電力株式会社から、復旧状況について、次のとおり連絡がありました。

  1. その後、当該遮断器を取り替え、遮断器の開放動作時間の測定を行い、正常に動作することを確認し、2月14日(月曜日)18時15分、保安規定に定める運転上の制限の逸脱から復帰した。
  2. 原子炉を停止するための保護回路の動作試験において、原子炉トリップ遮断器が正常に動作することを確認し、2月15日(火曜日)11時15分、通常状態に復旧した。
  3. なお、復旧までの間、原子炉を停止させる機能に問題はなかった。
  4. 今後、詳細調査する。
  5. 本事象によるプラント運転及び環境への放射能の影響はない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

通常運転中の伊方3号機において、原子炉トリップ遮断器1台の開放動作に遅延傾向が見られたことから、当該遮断器の開放動作時間を測定するとともに、当該遮断器を予備品に取り替えることとした。

当該遮断器の取替えに伴い、保安規定において必要とされる原子炉保護系論理回路4系統のうち、1系統を動作不能としたことから、一時的に保安規定に定める運転上の制限から逸脱した。

調査の結果、遮断器のトリップラッチ回転軸のグリースに変色が見られ、主ローラのグリースに若干の酸化劣化が確認された。

本事象は、原子炉トリップ遮断器開閉機構部のトリップラッチ回転軸及び主ローラにおいて、定検時に実施している注油がグリースへ浸透しなかったため、塗布していたグリースが酸化劣化し、グリースの粘度が増大した結果、トリップラッチ回転軸及び主ローラの摺動抵抗が増大して回転動作が緩慢となり、開放動作時間が遅延したと推定。

本事象によるプラント及び環境への放射能の影響はなかった。

対策

  1. 原子炉トリップ遮断器8台のうち、これまで遮断器取替えを行っていない5台について、本定検において開閉機構部の分解点検及びグリースの交換を実施する。
  2. 今後、遮断器開閉回数が規定回数に達しない場合でも、10定検ごとに開閉機構部の分解点検及びグリースの交換を実施する。
  3. グリースの交換に当たっては、遮断器開閉機構部摺動部に使用しているグリースをリチウム系グリースから酸化劣化が生じにくいフッ素系グリースに変更する。
  4. 毎定検実施している開閉機構部摺動部への注油にあたっては、油分がグリースに浸透しやすいよう、スポイトにより油を滴下する要領から、霧状にスプレイする要領に変更する。
  5. 今後は原子炉トリップ回路ロジック試験に合わせて、遮断器単体の開放動作時間を測定し、開放動作時間の管理値を設定して適切に管理する。

県の公表

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