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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成23年度(2011年度)
- 伊方3号機セメント固化装置脱水機の異常
- 通報連絡日時:2012年3月21日15時20分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
3月21日(水曜日)15時20分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 定期検査中の伊方3号機において、3月21日(水曜日)13時49分に試運転中のセメント固化装置の異常を示す信号が発信し、当該装置の脱水機が自動停止した。
- その後、保修員が現場を点検したところ、14時37分に脱水機のハンドターニングが実施できないことを確認した。
その後の状況等
3月21日(水曜日)19時00分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該装置は、プラントから発生した放射性液体廃棄物をセメントと混ぜ、ドラム缶に詰めて固化する装置であり、プラントの安全に影響を与えるものではない。
- なお、異常発生時は、試運転中であり、放射性液体廃棄物は処理していなかった。
その後の点検結果等
3月26日(月曜日)13時10分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、分解点検を行ったところ、脱水機の減速機内の潤滑油が少量しかなく、内部機構の一部が固着していることを確認した。
- 取替部品の準備ができ次第、交換することとする。
復旧状況等
4月2日(月曜日)12時00分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、固着していた部品を新品に交換し、脱水機の試運転を実施した結果、異常が認められなかったことから、4月2日(月曜日)11時51分、通常状態に復旧した。
- 今後、引き続き、詳細調査を行う。
- 本事象による環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
定期検査中の伊方3号機において、セメント固化装置の分解点検後に確認運転中、異常を示す信号が発信し、同装置の脱水機が自動停止した。
調査の結果、脱水機の減速機内の潤滑油が少量しかなく、内部機構の一部が固着していることを確認した。
本事象は、分解点検の作業責任者が作業要領書を十分に確認せず復旧し、脱水機に潤滑油を給油していなかったこと、記録様式が給油について記載する様式となっていなかったことなどから、給油手順の確認を見落とし、潤滑油を給油せずに脱水機を起動したため、シャフトとギヤー部が固着したと推定。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はなかった。
対策
- 必ず作業要領書を確認しながら作業するよう、作業関係者に周知徹底した。
- 固着した減速機の部品を取り替えるとともに、脱水機を組み立て後、確認運転を行い、異常のないことを確認した。
- 給油を確実に実施するため、給油量を記録する様式とし、重要な手順は他の作業手順と混在させないよう当該作業要領書を改正した。
- 上記の作業要領書の改正内容を「伊方発電所作業要領書作成手引き」に反映し、作業関係者に周知した。