平成24年度(2012年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方2号機復水脱塩装置からの塩酸の漏えい

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通報連絡日時:2012年5月11日17時15分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

伊方2号機は定期検査中のところ、中央制御室において、復水脱塩装置の異常を示す信号が発信したため、現地確認を実施したところ、復水脱塩装置建家で塩酸が漏えいしていることを確認した。
復水脱塩装置の異常を示す信号発信時、復水脱塩装置建家内では、中和用塩酸供給ポンプが運転中であったことから、直ちに当該ポンプを停止していた。

その後、現場に立ち入り、塩酸が飛散している状況を確認したが、配管等の状況を確認した結果、漏えいしていないことを確認した。
建家周辺の塩酸ガス濃度を測定した結果、検出限界濃度未満(0.1ppm未満)であり、塩酸ガスによる周辺環境及び作業員への影響はない。

その後、漏えい箇所を調査した結果、中和用塩酸供給ポンプの出口側の弁フランジ部からの漏えいであり、その他の箇所からは漏えいがないことを確認した。
当該フランジ部を調査したところ変形が確認されたことから、当該部を修正し、漏えいがないことを確認した。

なお、念のため、当該弁を今後新品に交換する。

今後、引き続き、詳細調査を行う。

本事象による環境への放射能の影響はない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

定期検査中の伊方2号機において、中央制御室で復水脱塩装置の異常を示す信号が発信した。
現地確認を実施したところ、復水脱塩装置建家の中和用塩酸供給ポンプ出口側の弁上流側フランジから塩酸が漏えいし、当該部周辺に塩酸が飛散していることを確認した。

調査の結果、当該弁フランジはポリ塩化ビニル製であり、リング状ガスケットを使用していたため、ボルト締め付けにより外輪部がクリープ特性により変形し、その後、ガスケットを全面形ガスケットに変更したことで、フランジシート部のシート力が弱くなった状態のまま復旧していた。この状態のまま中和用塩酸供給ポンプの起動等の繰り返しによる当該系統の内圧の変化により、シート力が徐々に弱まり、ポンプの起動に伴い、塩酸がガスケットシート部を通り抜けボルト穴から周囲に飛散したものと推定。

本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への影響はなかった。

対策

  1. 当該弁の上流側、下流側フランジとも、変形を切削により修正し、復旧した。なお、念のため、新品の背圧弁に取替えを実施した。
  2. 類似のフランジ(薬品を内包する系統に使用する配管のポリ塩化ビニル製フランジで、過去にリング状ガスケットを使用し、その後全面形ガスケットに変更したもの)46箇所については、1、2号機復水脱塩装置薬品系統にあり、定検中は停止している系統であるため、系統の運転までに点検を実施する。
  3. 今後、ポリ塩化ビニル製フランジを使用している箇所は、全面形ガスケットでの復旧時、フランジ面の変形等異常の有無を確認し、変形があった場合は、修正等の対応を実施したのち、取り付けるよう、作業要領書に追加反映する。

県の公表

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