- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成24年度(2012年度)
- 伊方3号機格納容器再循環ファンの異常
- 通報連絡日時:2012年7月13日11時30分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
7月13日(金曜日)11時30分、四国電力株式会社から、別紙のとおり、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方3号機は定期検査中のところ、7月13日(金曜日)10時34分、中央制御室において、運転中の格納容器再循環ファン3Aの振動が高いことを示す信号が発信した。
- このため、格納容器再循環ファン3Bを起動し、同日10時43分に格納容器再循環ファン3Aを停止した。
- 今後、詳細を調査する。
- 本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はない。
その後の状況等
7月13日(金曜日)15時45分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、同日12時12分、格納容器再循環ファン3Aを再度起動したところ、警報値7.1mm/秒を超えなかったが、通常の値(約1mm/秒)より高い約5.8mm/秒の振動が確認されたことから、今後、分解点検のうえ、詳細を調査する。
- 本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はない。
復旧状況等
10月4日(木曜日)10時00分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後、ファンの分解点検、振動計の健全性確認及び電動機単体での確認運転等を実施したが異常はなかった。
- このため、ファンのケーシングと台板との合わせ面を点検した結果、不均一な液状ガスケット等の付着が確認されたため、除去した後、確認運転で振動値を監視していたところ、約1.2mm/秒と低い値で安定していることから、10月4日(木曜日)9時50分、通常状態に復旧した。
- 本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
定期検査中の伊方3号機において、中央制御室で運転中の格納容器再循環ファン3Aの振動が高いことを示す信号が発信した。
振動上昇の原因調査のため分解点検を実施した結果、ケーシング合わせ面に塗膜のはく離、液状ガスケット及びボンドの部分的な付着が確認された。
本事象は、ケーシング合わせ面の手入れを十分に実施せず、塗膜はく離、部分的なボンド及び液状ガスケットの付着がある状態で復旧したため、組立時の偏心量増加に伴う振動値上昇により、合わせ面の不均一な密着状態がさらに進展し、その合わせ面の状態が「振動を増幅させる要因」となり、振動大警報発信に至ったものと推定される。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への影響はなかった。
対策
- ケーシングと台板の合わせ面の手入れを実施し、合わせ面を復旧した。
- 今後ケーシング合わせ面の不均一な密着状態による振動値上昇の発生を防止するために、合わせ面開放時には合わせ面の状態確認及び手入れを実施する。また、分解点検後において振動解析により振動値測定及び周波数分析を実施し、振動値が注意値以下であること、並びに振動の主成分を把握し、異常の無いことを確認する。以上を踏まえ、格納容器再循環ファン点検時に使用する標準作業要領書に、上記の内容を記載するように変更した。
- 異常を早期発見するために、保修パトロールで実施している格納容器再循環ファンの振動値データ採取頻度を月1回から週1回へ変更し、監視強化を図った。