平成24年度(2012年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡中間領域中性子束検出回路の高圧電源ユニットの異常

一覧に戻る
通報連絡日時:2012年11月3日1時43分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

定期検査中の伊方1号機において、中間領域中性子束検出器が不調である信号が発信した。
調査の結果、2系統ある中間領域中性子束検出回路のうち、1系統の高圧電源ユニットの不具合を確認した。
そのため、当該ユニットの取替えを実施したうえで電圧が正常であることを確認し、通常状態に復旧した。

なお、原子炉は停止中であり、中性子束レベルは線源領域中性子束検出器で監視していた。
今後、引き続き詳細を調査する。

本事象によるプラントへ及び環境への放射能の影響はない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

定期検査中の伊方1号機において、中央制御室に中間領域中性子束検出器の不調を示す信号が発信した。
調査の結果、2系統ある中間領域中性子束検出器のうち、1系統の高圧電源ユニットの出力電圧が0Vとなっていることを確認した。

原因調査のため高圧電源ユニットの分解点検を実施した結果、トランスのコイル巻線部に黒点状の変色が2箇所、そのうち1箇所の断線が確認され、断面部は青緑色に変色し、成分分析では塩素が検出された。

本事象は、当該高圧電源ユニット内部のトランス製造時に、腐食要因となる「塩素成分の付着」、「巻線被覆の傷」、「水分の付着」の全てが重なったことにより腐食が発生し、通電による加熱等で腐食が徐々に進行したことにより、コイル巻線が腐食断線し、高圧電源ユニットの制御回路に電源が供給されず、高圧電源出力制御を行う制御トランジスタが動作できない状態となり、高圧電源ユニットの出力が0Vに至ったものと推定される。

本事象による環境への放射能の影響はない。

対策

  1. トランス製造工程において、腐食要因となる「塩素成分の付着」,「巻線被覆の傷」,「水分の付着」の可能性が確認された以下の工程について、腐食要因の発生防止を徹底し、メーカの調達及び製造関係帳票を改訂した。
    • a.「塩素成分の付着」
      コイル巻線工程において、作業員の汗や唾液等の塩素成分が付着しないよう、手袋・帽子・マスクを着用する。
    • b.「巻線被覆の傷」
      コイル巻線工程における整形処理において、リード線接続部が加圧されることにより、コイル巻線の被覆に傷が付くことを防止するため、リード線接続部に力が加わることのないよう、整形専用の治具を製作し、これを用いる。
    • c.「水分の付着」
      予備乾燥工程における放熱処理中に、コイルが空気中の水蒸気を吸湿することがないよう、防湿箱内で湿度管理された状態で保管する。
  2. 同型式のものを使用しているトランス(1~3号機の全24台)については、当該品と同一の製造方法で製造されたものであるため、今回と同様な事象が発生することは否定できないことから、改訂されたメーカの調達および製造関係帳票に基づき製造されたものに、念のため取替を実施する。
  3. 当該高圧電源ユニットについて、今後とも予備品を確保しておく。

県の公表

GET Adobe Acrobat Reader
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、
Adobe Acrobat Readerが必要です。
Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、
バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
異常通報連絡 メニュー
ページの先頭へ