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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成26年度(2014年度)
- 伊方2号機2次系ブローダウンタンク上面の亀裂
- 通報連絡日時:2014年11月21日16時38分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
伊方発電所2号機は、定期検査中のところ、2次系ブローダウンタンクの上面に腐食による亀裂があることを保修員が確認した。
その後、2号機への補助蒸気の供給を停止し、補助蒸気ドレン水の発生を抑え ることにより、当該タンクへの流入を止めた。
調査の結果、外面から目視にて点検し、タンク上面に亀裂が3箇所、円周状にあることを確認した。
なお、当該タンクは、亀裂の確認された上面の配管を通じて大気に開放されているものである。
今後、当該タンクを開放し、詳細点検を開始する。
本事象による環境への放射能の影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
2次系ブローダウンタンクにおいて、運転員が保温材の継目に水滴があることを確認したことから、保温材の取り外しを実施し、タンクの上面に腐食による亀裂があることを確認した。
調査の結果、亀裂の発生箇所は、炭素鋼(鏡板)とステンレス鋼(内筒)の境界部であり、電気伝導率が高いスプレイ水(所内用水)が存在する内筒の内側であった。炭素鋼は腐食しているが、ステンレス鋼は腐食しておらず、ステンレス鋼から遠ざかるほど腐食が低減していた。電気伝導率が低い補助蒸気のドレン水の環境下では、炭素鋼とステンレス鋼の境界部は健全であり、スプレイノズルが設置されていないことを除き、構造がほぼ同仕様である1号機2次系ブローダウンタンクの鏡板(炭素鋼)と内筒(炭素鋼)の境界部には、著しい腐食は認められなかった。以上から、当該タンクの亀裂発生箇所は、電気伝導率の高いスプレイ水(所内用水)に接していたことから、炭素鋼(鏡板)とステンレス鋼(内筒)による異種金属接触腐食が発生し、炭素鋼(鏡板)の腐食・減肉が進展し、亀裂に至ったものと推定した。
対策
- 亀裂の認められた上部鏡板について平成27年3月中に同材料である炭素鋼の上部鏡板への取替を完了させる。
- 上部鏡板の取替に合わせ、1号機及び3号機2次系ブローダウンタンクと同様に、内筒の材質をステンレス鋼から上部鏡板の材料と同一となる炭素鋼に変更する。
- 当該タンク内に所内用水が供給されないよう、上部鏡板の取替に合わせ、1号機ブローダウンタンクと同仕様とし、スプレイノズルを撤去する。また、今後も、補助ボイラへ供給する純水の電気伝導率を10μS/cm以下に管理していく。