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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成26年度(2014年度)
- 伊方3号機海水淡水化装置塩酸注入配管からの塩酸の漏えい
- 通報連絡日時:2015年2月10日15時17分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
伊方3号機の海水淡水化装置建屋において、逆浸透膜入口海水のpHが上昇したため、海水淡水化装置を停止させた。
その後、運転員が現場で配管フランジ付近から塩酸が漏えいしていることを確認した。
調査の結果、海水淡水化装置B号機への塩酸注入ラインの配管部からの漏えいを確認し、漏えいした塩酸については、全量を回収した。
今後、漏えいの原因について詳細に調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方3号機は定期検査中のところ、海水淡水化装置B号機において逆浸透膜の入口海水のペーハーの異常を示す警報が発信した。
現地確認を実施したところ、床面等に塩酸が漏えいしており、海水管へ塩酸を注入する配管から塩酸が漏えいしたことを確認した。
調査の結果、漏えいした配管は内径約20mm(20A)で腐食防止のため鋼管の内側をポリエチレンで覆っているものであり、外表面に約2mm の円形状の穴が貫通していた。
また、ポリエチレンには気泡跡とき裂があり、鋼管とポリエチレンの接触部が腐食していることを確認した。
この気泡跡は製造不良によるものであり、経年使用によりポリエチレンの気泡間に割れが発生し、割れが進展してポリエチレンをき裂が貫通し、これにより、塩酸を含む海水が浸入し鋼管が腐食して漏えいしたものと推定する。
なお、同様の製造不良は他の配管において平成5年に確認され、取替えられているが、当該配管は、海水管の枝管であったことから見逃され、取替えられていなかった。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への影響はなかった。
対策
- 漏えいした配管は取替えを実施した。
また、当該部の内面点検ができるようにフランジを追加し、取外しができるようにした。 - 類似箇所である3号機の海水淡水化装置A号機の配管についても、取替えを実施した。
- 今後は、海水管の枝管である当該部についても、接続する弁の点検周期に合わせて6年に1回定期的に内面点検を実施することとする。
- 3号機の海水淡水化装置のその他のポリエチレンライニング配管の内面点検については、平成27年度に実施する定期点検で内面点検を実施するとともに、定期的な内面点検を計画する。
- 取替え対象配管の抽出もれが起こらないよう、系統線図と現地の確認を徹底することとし、本事例を周知する。