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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成26年度(2014年度)
- 伊方3号機非常用ディーゼル発電機補機室内における溢水
- 通報連絡日時:2015年3月20日21時40分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
伊方発電所3号機の非常用ディーゼル発電機補機室内において、運転員が、ディーゼル発電機3Aの燃料弁冷却水タンクのオーバーフロー管より、冷却水がオーバーフローして床面に溢水していることを確認した。
このため、燃料弁冷却水タンクの補給水弁を閉止し、冷却水のオーバーフローを止めている。
調査の結果、燃料弁冷却水タンク内のフロート弁の不調を確認し、床面の溢水については、全量を回収した。
その後、燃料弁冷却水タンクへの補給水の流入量を調整し、フロート弁を新品に取り替えて動作確認を実施した結果、フロート弁の動作状況に異常がないことを確認し、通常状態に復旧した。
今後、フロート弁の不調の原因について詳細に調査する。
本事象による環境への影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方3号機は定期検査中のところ、非常用ディーゼル発電機補機室Aにおいて、非常用ディーゼル発電機3Aの燃料弁冷却水タンクオーバーフロー管から冷却水が流出して床面に溢水していることを確認した。
点検の結果、タンク内のフロート弁の不調によりタンクへ冷却水が連続的に補給され、流出したことを確認した。
調査の結果、当該フロート弁の動作確認を実施したところ再現せず、異常は確認されなかった。
フロート弁の分解調査を実施したところ、弁体内部に若干の錆を確認したが、弁の漏えいの原因となるような異常は確認されなかった。
また、点検時にタンク内のフロートは浮上していたが弁が閉まりきらずに給水され続けていたことから、何らかの原因で弁体が弁本体内面に引っ掛かり、弁の機能が一時的に失われた一過性の事象であると推定した。
なお、流出した冷却水は補機室Aの側溝(サンプピット)の容量を超えたため床面に溢水しているが、タンク及びサンプピットに水位上昇を検知するシステムがなく溢水を検知できなかった。
本事象によるプラントへの影響及び周辺環境への影響はなかった。
対策
- 当該フロート弁を新品に取り替えて、動作状況に異常のないことを確認した。
- 万一、フロート弁に不調があったとしてもサンプピットへの漏えい量を低減できるよう、燃料弁冷却水タンクAおよびBへの補給水流量を調整した。
- フロート弁の不調のリスクを低減するため、1,2,3号機の非常用ディーゼル発電機の燃料弁冷却水タンク及びシリンダ冷却水タンクに設置している全てのフロート弁について、取替周期を現状の2定検に1回から1定検に1回に変更する。
- タンクへの過剰給水及びサンプピットの異常な水位上昇を検知できるよう、3号機非常用ディーゼル発電機について以下の検知システムを設置する。
- 燃料弁冷却水タンクへ水位高警報を設置する。
- サンプピットへ水位高警報を設置する。