平成27年度(2015年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機海水淡水化装置のRO高圧ポンプの軸シール部の海水飛散防止カバーの損傷

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通報連絡日時:2015年6月19日17時27分
県の公表区分C

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

概要

伊方3号機の海水淡水化装置のRO(逆浸透膜)高圧ポンプA号機の軸シール部の海水飛散防止カバーが損傷していることを確認した。

調査の結果、カバーには熱による変形および変色が見られた。
また、ポンプ本体を調査したところ、主軸に取り付けられたパッキンスリーブが約32mm割れていることを確認した。
原因について、今後詳細に調査する。

本事象による環境への影響はなく、RO高圧ポンプB号機の運転により必要な淡水を確保できることからプラントへの影響もない。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方3号機は定期検査中のところ、海水淡水化装置のRO高圧ポンプA号機において軸シール部の海水飛散防止カバーが損傷しているのを確認した。
RO高圧ポンプA号機本体を分解調査したところ、軸シール部の主軸に取り付けられた軸端側のパッキンスリーブが、軸受側から約32mm主軸と平行に割れていることを確認した。

調査の結果、割れは内外面ともに内側より軸端側に向かい進行しており、内側に著しく腐食した領域があること、当該領域は外表面に孔食、粒界腐食が見られることを確認した。また、この領域は残留応力が大きい場所であること等を確認した。

このため、外表面において孔食が発生した後、これを起点として残留応力等の条件がそろって、応力腐食割れが生じたと推定した。
パッキンスリーブの割れが生じた結果、割れ部から出た水の勢いで海水飛散防止カバーがずれて傾き、回転部と接触したことで、こすれて変形および変色が生じたと推定した。
なお、パッキンスリーブの割れは、分解点検を3年に1回から6年に1回に変更したため、応力腐食割れが小さなうちに発見できなかったため、割れが軸端部まで成長したものと推定した。

本事象による周辺環境への影響はなかった。

対策

  1. RO高圧ポンプA号機は、割れていたパッキンスリーブは新品に取替え、ポンプ本体に異常のないことを確認した。
  2. RO高圧ポンプB号機は、平成27年内に開始予定の定期点検時に分解点検を実施する。
  3. 海水飛散防止カバーは、水しぶきによる床面の汚れを防止するため当社がとりつけたものであり、取り外してもポンプの運転に影響はないことから、RO高圧ポンプA、B号機ともに取り外すこととした。
  4. RO高圧ポンプA、B号機の分解点検を6年に1回から3年に1回に変更する。

県の公表

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