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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成27年度(2015年度)
- 伊方3号機硫酸第一鉄溶解タンクまわりの溢水
- 通報連絡日時:2015年10月5日13時10分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
概要
伊方発電所3号機において、硫酸第一鉄注入装置の異常を示す信号が発信したため、保修員が現地を確認したところ、硫酸第一鉄溶液がタンクからオーバーフローしていることを確認した。
オーバーフローした硫酸第一鉄溶液約80リットルは建屋の中に留まっており、発電所外への漏出はない。
調査の結果、硫酸第一鉄溶解タンクにおいて注水作業中に水位計の指示上昇が止まり、注水状況の確認をしていたところ、当該水位計の指示が急上昇するとともにオーバーフローしていたことを確認した。
また、オーバーフローした硫酸第一鉄溶液が排水枡の排水不良により防液堤内に溜まっていたことを確認した。
点検を実施した結果、水位検出部に異常はなく動作状態も良好であったが、排水枡に詰まりが見られたことから、詰まっていた固形物を除去した。
また、硫酸第一鉄溶解タンクへの注水作業により、水位計の動作状況を確認した結果、水位計に異常のないことを確認した。
今後引き続き、水位計の指示上昇が止まった原因および排水枡が詰まった原因について調査する。
本事象によるプラントへの影響および環境への影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機の硫酸第一鉄溶解タンクにおいて、硫酸第一鉄を水で溶かすための注水作業中にタンクの水位計の指示が急上昇し、硫酸第一鉄注入装置の異常を示す信号が発信するとともに、タンクからオーバーフローしていることを確認した。さらに、オーバーフローした硫酸第一鉄溶液が防液堤内に溜まっており、防液堤排水枡が排水不良の状態であることを確認した。
調査の結果、防液堤排水枡の排水不良の原因については、排水配管が堆積物によって閉塞ぎみになっており、硫酸第一鉄注入装置の設備点検等に伴う硫酸第一鉄を含んだ排水と防液堤内の埃が排水配管に流入し、徐々に堆積したものと推定した。
また、タンクへの注水作業におけるオーバーフローの原因については、硫酸第一鉄の未溶解分によりタンク底部の水位計につながる配管等が一時的に閉塞し水位計が正しく動作しない状況となったものと推定した。
対策
- 排水配管内の堆積物除去および清掃を実施し、当該排水枡の排水状況に異常のないことを確認した。
- 当該排水枡の点検について、タンクの点検周期に併せて定期的に排水状況の確認を実施することとし、点検要領書を改訂する。
なお、1,2号機についても同様の点検を実施する。 - 硫酸第一鉄溶解作業について、注水作業中にオーバーフローしないようにタンク上部開口部に監視者を配置してタンク内水位を確認することとし、要領書を改訂した。