- ホーム
- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成27年度(2015年度)
- 伊方1,2号機純水装置における塩酸移送ポンプの不具合
- 通報連絡日時:2015年10月20日12時35分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
伊方発電所1,2号機において、純水装置の異常を示す警報が発信したため、保修員により現地を確認したところ、塩酸移送ポンプに異常があることを確認した。
塩酸の漏えいはない。
調査の結果、塩酸移送ポンプで塩酸を通薬していたところ、当該ポンプの主軸と軸受が固着したことにより、モーターが過負荷となり停止したことを確認した。
また、塩酸受入タンク出口弁(塩酸移送ポンプの入口弁)が「開」であるべきところ、「閉」となっていることを確認した。
今後、塩酸移送ポンプは取替えを行うとともに、固着した原因について詳細点検を実施する。また、塩酸受入タンク出口弁が閉となっていたことについても調査を実施する。
本事象によるプラントへの影響および環境への影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所1,2号機において純水装置の異常を示す信号が発信し、同装置の塩酸移送ポンプが停止した。
調査の結果、塩酸移送ポンプは主軸と軸受の固着によってモーターが過負荷となり停止したこと、また塩酸移送ポンプの上流にある弁が「開」であるべきところ「閉」となっていることを確認した。
当該弁が「閉」となっていた原因は、純水装置の停電作業(関係会社に委託して実施)において「閉」とした当該弁を、停電対策要領書および隔離操作票にしたがい復旧時に「開」とし当該弁に取り付けている隔離タグを回収すべきところ、この作業を行った担当者が作業に当たっての注意事項(1指令1操作)に対する認識が薄かったため、本来とは異なる手順により作業を行っており、当該弁を「開」とし隔離タグを回収することを失念したものであることを確認した。
これにより、復旧後に純水装置が自動運転したした際、塩酸移送ポンプは液体のない空運転の状態となり、モーターに異常が生じて自動停止に至ったものと推定した。
対策
- 隔離復旧操作後は、操作者以外の者が隔離操作票の記載内容と隔離タグの照合を行う。
- 本作業および類似作業を行う関係者に対して行う関係会社による年1回の安全教育に、隔離・復旧に関する基本動作を追加し、隔離・復旧操作の重要性について、繰り返し教育を行う。
また、四国電力株式会社管理職の現場パトロールにより、理解度の確認を行う。 - 上記(1),(2)を含め、四国電力株式会社の社内規定に記載されている事項より、関係会社へ委託している設備に必要な注意事項を抜き出して、関係会社の新規マニュアルとして制定した。
- 本事象について全従業員に対して所内周知を行い、類似事象の考えられる関係会社の作業を洗い出し、注意喚起を行った。
- 作業を急ぐことになった軽微な信号の発信について、予め想定されたものであることを停電対策要領書に明記する。
また、その他定期的に実施される作業において、本事象と同様に軽微な信号を発信する作業はないことを確認した。 - 塩酸移送ポンプは取替をして問題なく運転できることを確認した。