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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成27年度(2015年度)
- 伊方1号機海水系統配管からの海水の漏えい
- 通報連絡日時:2015年12月15日11時58分
- 県の公表区分A
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 ※不具合の発生した電動弁の設置場所 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
12月15日(火曜日)11時58分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 伊方発電所1号機の中央制御室において、12月15日(火曜日)11時08分、タービン建屋内排水槽の水位高の信号が発信した。
- 運転員が現地確認したところ、海水系統配管から海水が漏えいしていることを確認した。
- 詳細については調査中である。
- 本事象による環境への影響はない。
その後の状況等
12月15日(火曜日)16時19分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、12月15日(火曜日)に原子炉補機の冷却用海水の水張りを実施していたが、2次系補機の冷却用海水系との隔離のため閉止していた電動弁から冷却用海水が漏えいし、点検中の2次系補機の冷却用海水配管の開放部から漏れ出たことを確認した。
- その後、海水の水張りを停止し、同日11時40分に海水の漏えいは停止している。
- 漏えいした海水は、同日14時21分に全量(約94㎥)を回収した。今後、総合排水処理装置にて処理する。
- 今後、電動弁を分解点検し、漏えいした原因について詳細に調査する。
復旧状況等
12月22日(火曜日)14時35分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該電動弁の分解点検および開閉試験の結果、弁本体に傷等の異常はなかったが、弁のリミットスイッチが全閉位置の時に実際には弁開度が微開状態であることを確認した。
- このため、リミットスイッチの調整などを実施し、12月22日(火曜日)13時30分、当該電動弁から漏えいのないことを確認した。
- 今後、漏えいした原因について、引き続き、調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所1号機の中央制御室においてタービン建屋内排水槽の水位高を示す信号が発信し、現地を確認したところ点検中の海水系統配管の開放部から海水が漏えいしていることを確認した。
調査の結果、原子炉補機の冷却用海水の水張り中に、2次系補機の冷却用海水系統との隔離のため閉止していた電動弁から冷却用海水が漏えいし、点検中の2次系補機の冷却用海水配管の開放部から漏えいしたことを確認した。
電動弁を点検した結果、弁が全閉の状態で実際には微開状態であることを確認した。
また、弁そのものには異常は確認されず設定どおりに動作していることを確認した。
このことから、直近の点検作業において弁に接続する配管の取外し・取付作業により弁座(ゴム製のシートリング)の取付状態が微妙に変化して微小な隙間が生じ、水張り時に漏えいに至ったものと推定した。
対策
- 当該弁については、手動により全閉位置を確認し、全閉位置でリミットスイッチが動作するように調整を実施した。
- 当該弁および類似弁(計6台)については、弁分解点検または接続配管の取外し・取付作業を行った場合は、全て、リミットスイッチの調整を実施することとし、標準作業要領書を改訂する。
- 当該弁および類似弁(計6台)については、隔離弁として使用する際は、電動による閉操作後、念のため手動による増締めを行う運用とし「系統の隔離・復旧作業マニュアル」を改訂する。