平成27年度(2015年度) 伊方原子力発電所からの異常通報連絡伊方3号機放水ピット内残留塩素濃度の上昇

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通報連絡日時:2016年1月8日11時22分
県の公表区分A

伊方発電所から通報連絡のあった異常について

異常の区分

管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表

異常の内容

1月8日(金曜日)11時22分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。

  1. 伊方発電所3号機の中央制御室において、1月8日(金曜日)10時10分に放水ピット内の残留塩素濃度が高いことを示す信号が発信した。
  2. このため、手分析を実施したところ、1月8日(金曜日)10時45分に残留塩素濃度が信号を発信する濃度を超えていることを確認した。
  3. 詳細については調査中である。
  4. 本事象によるプラントへの影響および環境への放射能の影響はない。

その後の状況等

1月8日(金曜日)15時58分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。

  1. 2次系設備について水張り・通水による健全性確認が完了したことから、本日(8日)、2次系海水配管内の海水を排水していたところ、放水ピットにおける残留塩素濃度が基準値の0.02ppmを20分程度超えたことを確認した。
  2. この間の手分析において、測定結果の最大値は0.029ppmであった。2次系海水の水抜き作業を停止したところ、塩素濃度は低下し、10時30分頃以降、0.02ppm未満となっている。
  3. また、発電所前面海域(8箇所)において海水をサンプリングして測定した結果、残留塩素は検出されなかった。
  4. 現在、原因について調査中である。

伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について

推定原因等

伊方発電所3号機の中央制御室において放水ピット内の残留塩素濃度が高いことを示す信号が発信した。
2次系海水配管内の海水を排水していたところ、放水ピットにおける残留塩素濃度が基準値の0.02 ppmを超えたことを確認した。

調査の結果、次亜塩素酸ソーダ注入配管の手動弁1台及び逆止弁2台について、内部に固形化したスケールが付着していること、また当該手動弁はゴムライニングの一部が剥離し、弁箱内表面が発錆していることを確認した。

このことから、当該手動弁は弁の閉止機能を果たす部分に隙間が生じたこと、当該逆止弁は弁体が通常位置に復帰せず逆止機能が失われたことから、弁のシートリークが発生したと推定した。

これにより、軸受冷却水用海水管への次亜塩素酸ソーダの注入を停止している期間において、注入方向に流れが生じ、次亜塩素酸ソーダ注入配管内に滞留していた次亜塩素酸ソーダが軸受冷却水用海水管に流入し、その後実施した2次系海水配管の海水排水作業により下流側の復水器冷却水管を経由して放水ピットへ排出され、放水ピット内の残留塩素濃度が上昇したものと推定した。

対策

  1. 当該手動弁の取り替えおよび当該逆止弁の点検(内部清掃)を実施した。
    また、類似の手動弁の取り替えおよび類似の逆止弁の点検(内部清掃)を実施した。
  2. 軸受冷却水用海水管への次亜塩素酸ソーダの注入を停止する場合は、隔離弁として当該手動弁の直近の弁も閉止する運用とし、運転操作内規を改訂する。
  3. 当該手動弁および当該手動弁の直近の弁が同時にシートリークした場合においても、次亜塩素酸ソーダが軸受冷却水用海水管に滞留して放水ピットへ流入しないよう、同海水管の通水を停止して同海水管内の水抜きを実施する場合は、通水停止前に次亜塩素酸ソーダ注入配管内の次亜塩素酸ソーダを純水または海水に置換し、同海水管以外の系統へ次亜塩素酸ソーダを注入する場合は同海水管の水抜き後に開始する運用とし、社内マニュアルを改訂する。

県の公表

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