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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成28年度(2016年度)
- 緊急時対策支援システムのデータ伝送の停止
- 通報連絡日時:2016年4月28日19時19分
- 県の公表区分C
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:外 国への報告:なし 備考:今回発表
概要
緊急時対策所において、通信連絡設備の無停電電源装置の機能確認を行っていたところ、総合事務所に「システム重故障」の信号が発信し、原子力規制庁にプラントパラメータを伝送する緊急時対策支援システム(ERSS)の伝送が停止した。
本設電源に切り戻し、データ伝送は復旧した。
原因は、無停電電源装置の不調と考えられる。
その他の通信連絡設備の機能確認は終了した。
調査の結果、通信連絡設備の無停電電源装置の電源供給機能確認において通信連絡設備の電源を本設電源から無停電電源装置に切り替えた際に、無停電電源装置による電源供給が不能となり、通信連絡設備の電源が喪失してERSSの伝送が停止したことを確認した。
今後、不具合が発生した無停電電源装置を取り替える。また、無停電電源装置による電源供給が不能となった原因について引き続き調査する。
環境への放射能による影響はない。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
構内32mエリアの緊急時対策所にある通信連絡設備の無停電電源装置(以下、「UPS」という。)の機能確認において、本設電源から蓄電池への電源切替えを行った際に蓄電池からの給電が停止し、原子力規制庁の緊急時対策支援システムへのデータ伝送が停止した。
調査の結果、UPSに接続する負荷毎に再現性確認を行ったところ、ファックスで再現性が確認された。詳細に確認したところ、当該ファックスへの給電において電流波形の一部が半波波形になっており、UPSが異常として検知していることを確認した。
ファックス及びUPSの設置においては、UPSが半波波形に対応できないことは把握していたが、ファックスの取扱説明書では半波波形が確認できず、また蓄電池からの給電によるファックスの動作確認は不要としたことから影響を把握できず、事象発生に至ったと推定した。
対策
- UPSとファックスの間に電流安定器を接続し、ファックスにより生じる半波波形電流による影響を阻止することにより、UPSの蓄電池からの給電時にも安定して運転できるよう対策し、健全性を確認のうえ復旧した。
- 今後、プラント設備に対して以下の点について確認を行うようマニュアル等に記載する。
- UPSの選定においては、UPSの仕様が接続する負荷に対応していることを確認する。
- UPSの仕様に半波波形電流のような特異な負荷を接続できないなどの制限がある場合は、ファックスなどの特殊な負荷については取扱説明書の確認だけでなく、UPSに接続する機器のメーカに対して、制限に該当する負荷特性の有無を確認する。
- 制限に該当する負荷特性の有無を確認できない機器を使用する場合は、動作確認試験により確認する。
- 制限に該当する負荷特性が無いことをメーカ確認できた場合においても、UPSに接続する装置の仕様変更を伴う一式取替えや、UPSの新規設置など、UPSの給電に影響を及ぼす可能性がある場合は、念のため動作確認試験を実施する。