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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成29年度(2017年度)
- 伊方2号機洗浄排水蒸発装置ドレン配管貫通穴の確認
- 通報連絡日時:2017年5月15日9時22分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
5月15日(月曜日)9時22分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 定期検査中の伊方発電所2号機において、巡視点検中の運転員が、2号機洗浄排水蒸発装置のドレン配管に付着物があることを確認した。
- 保修員が現場確認したところ、5月15日(月曜日)8時54分、当該配管に貫通穴を確認した。
- 本事象による外部への放射能の影響はない。
- 今後、詳細を調査する。
その後の状況等
5月15日(月曜日)14時27分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- その後の調査の結果、当該配管直下の床面にも漏えい跡があり、配管付着物および床表面の放射能を測定した結果、検出限界未満であることを確認した。
- 漏えい跡の床面状況から、漏えいした水の量は約3リットルと推定された。
- 当該部については隔離を実施しており、今後漏えいの可能性はない。
- 当該部近傍の配管サポート部にも付着物を確認しており、作業準備が整い次第、状況を確認する。
- 2号機洗浄排水蒸発装置のドレン配管を目視で確認し、その他には付着物や漏えい跡がないことを確認した。
- 今後、引き続き漏えいした原因を詳細調査する。
5月16日(火曜日)16時25分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 5月16日(火曜日)、当該部近傍の配管サポート部の配管を切り出して外観確認したところ、14時10分、貫通穴を2個(直径約2mmと約3mm)確認した。
- 今後、本貫通穴も含めて、漏えいした原因を詳細調査する。
6月2日(金曜日)9時18分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 本事象の類似箇所調査として、当該ドレン配管と同様な使用条件にある当該ドレン配管への合流配管及び洗浄排水濃縮廃液の移送配管を調査した。
- 当該ドレン配管への合流配管の3系統(6箇所)に付着物を発見し、その付着物を取り除くと、いずれも水のにじみが発生したことにより、ごく微小の貫通部があることを確認した。
- その他の合流配管及び洗浄排水濃縮廃液の移送配管には付着物や漏えい跡がないことを確認した。
- 付着物の放射能を測定した結果、そのうちの1箇所で3ベクレルの放射能量を確認した。その他の箇所は検出限界未満若しくは付着物が微量であったため、測定が出来なかった。
- 本事象による外部への放射能の影響はない。
- 今後、引き続き漏えいした原因を詳細調査する。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所2号機の原子炉補助建家(管理区域)において、洗浄排水蒸発装置ドレン配管及び同ドレン配管への合流配管に貫通穴があることを確認した。
調査の結果、洗浄排水蒸発装置ドレン配管について、不純物及び塩素を含む廃液が間欠的に排水されており、排水停止時は、配管内の廃液の水分蒸発に伴い、水平配管の底部及び溶接部に不純物が堆積する。このとき、不純物、塩素等が存在する環境となることから、配管内表面と不純物の隙間で隙間腐食が発生し、隙間腐食を起点として、配管内面から外面に孔食が進行し、貫通に至ったものと推定した。
洗浄排水蒸発装置ドレン配管への合流配管について、洗浄排水蒸発装置ドレン配管に水平方向から合流している範囲では、洗浄排水蒸発装置からの廃液が流入し、不純物が堆積する状態となり、同様に貫通に至ったものと推定した。
対策
- 洗浄排水蒸発装置ドレン配管及び合流配管の貫通が確認された箇所について、配管取替を実施した。また、付着物の堆積が確認された洗浄排水蒸発装置ドレン配管及び合流配管について、念のため取替を実施した(床埋設部を除く)。床に埋設され目視が困難な範囲については、水張り漏えい試験により異常がないことを確認した。
- 付着物の堆積防止対策として、洗浄排水蒸発装置ドレン配管及び合流配管について、洗浄排水蒸発装置廃液の排水後に、脱塩水により配管内に残る不純物を含む廃液を洗い流す洗浄操作を新たに追加し、操作手順書に反映する。また、洗浄操作が困難な箇所(蒸気発生器ブローダウンタンクドレン配管)については、不純物を含む廃液が流入しないように配管ルートを変更した。