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- 伊方原子力発電所からの異常通報連絡
- 平成29年度(2017年度)
- 伊方3号機火災感知設備ケーブルの損傷
- 通報連絡日時:2017年8月10日11時46分
- 県の公表区分B
伊方発電所から通報連絡のあった異常について
異常の区分
管理区域該当:内 国への報告:なし 備考:今回発表
異常の内容
8月10日(木曜日)11時46分、四国電力株式会社から、伊方発電所の異常に係る通報連絡がありました。その概要は、次のとおりです。
- 8月10日(木曜日)10時24分、火災感知設備の異常を示す信号が発信した。
- 現地を確認した結果、火災ではないことを確認したが、同日11時00分、保修員により火災感知器用のケーブルを切断したことを確認した。
- 引き続き、調査を行う。
- なお、本事象による環境への影響はない。
その後の状況等
8月10日(木曜日)15時52分、四国電力株式会社から、その後の状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 調査の結果、照明用電線移設作業のために先行して設置していた空のケーブル保護管を切断しようとしていたところ、仮設により運用していた中央制御室(火災監視盤)へのハロン消火設備用及び炎感知器用の仮設ケーブルを収納した保護管2本を誤って切断していたことが判明した。
- 今後、ケーブルを再接続した後、正常に動作することを確認して、8月10日(木曜日)中に復旧する見込みである。
- なお、復旧までの間は監視人を配置し、火災等の監視を行っている。
復旧状況等
8月10日(木曜日)17時8分、四国電力株式会社から、復旧状況等について、次のとおり連絡がありました。
- 当該ケーブルを再接続して、正常に動作することを確認し、8月10日(木曜日)17時5分復旧しました。
伊方発電所から通報連絡のあった異常に係る原因と対策について
推定原因等
伊方発電所3号機は通常運転中のところ、火災感知設備の異常を示す信号が中央制御室に発信した。現場を確認したところ、火災は発生しておらず管理区域内の火災を感知するための感知器用ケーブル2本が切断されていることを確認した。
調査の結果、火災感知器用ケーブルを誤って切断した原因は以下のとおりと推定した。
- 作業責任者は作業員に対し対象物の確認及び切断作業に関する具体的な指示ができていなかったため、作業員は仮設保護管の切断作業を行う前に空の仮設保護管であることを確認しなかった。
- 作業員は仮設保護管を自ら設置したため、仮設保護管の切断作業時に対象を間違えるかもしれないという危険を予知できなかった。
- 作業要領書には以下の手順の記載がなかった。
- 仮設保護管の切断前に対象の仮設保護管であることを確認する手順
- 新たに設置する仮設保護管に識別を行う手順
対策
- 切断した火災感知器用ケーブル2本については、事象発生当日、当該ケーブルを再接続して、正常に動作することを確認し復旧した。また、復旧までの間、監視人を配置して火災等の監視を行い、当該エリアに異常がないことを確認した。
- 当該の事象はヒューマンエラーに起因する重大な事案であったことから、事象の概要を関係者に当日、周知し、注意喚起を行った。
- 当該工事の作業要領書及び一般事項を整理した共通作業要領書に電線管布設時、切断時の注意事項として、仮設電線管布設時は電線管にケーブル入線後、仮設運用中であることを視認できる間隔で電線管にケーブルの回路名称を識別表示するとともに、電線管切断時は内部のケーブル有無を確実に確認し、切断対象であることを確認のうえ一本ずつ切断すること等を追加して改訂した。
- 上記の(3)の対策について、作業要領書に反映されるよう「伊方発電所作業要領書作成手引き」を改訂し、改正内容を関係者に周知した。
- 今回の事象について、ワンポイントレッスンを作成し、作業要領書に手順の記載漏れ等がないか作業責任者に対して注意喚起するとともに、作業関係者全員に今回事象の概要が説明できるよう類似工事の着手前に行う教育資料として活用することを関係者に周知した。